制作:敦賀蓮の【T】片想いを【K】(生温かく)見守る会【M】
担当:社



5月某日

世間がゴールデンウィークで浮かれはしゃいでいる中、カレンダーなど関係なしの職種である俺達は今日も分刻みのスケジュールで働いている。

ドラマの撮影の休憩時間、共演中のキョーコちゃんが手作り弁当を持って控室に来てくれた。

少食の蓮のために考えられたお弁当は、一つ一つは少量だが種類も多く、栄養バランスも彩りも考えられていて、しかも味付けも抜群だ。
多忙な蓮の体を気遣って、彼女も最近は忙しくなってきている筈なのに、出来る限り蓮の食事の面倒を見てくれる。
さすが、今年ついに「お嫁さんにしたい芸能人」にランクインしただけある。

そんなキョーコちゃんの愛情弁当を3人で囲みながら、話題はゴールデンウィークについて。

「最上さん。5月3日は何の日か知ってる?」
「憲法記念日ですよね?」
「ちなみに、リ○ちゃんの誕生日だよ」
「へ?……そうなんですか」
(蓮……?)
「つまり、女の子を着せ替えていい日だよね?……という訳でコレ」
「えっ?……えぇっ??」

なんだかとんでもない理屈でキョーコちゃんにワンピースと靴、鞄まで一揃え渡している。


「それじゃあ、5月4日は何の日?」
「みどりの日……ですよね?」
「うん、エメラルドの日だね」
戸惑うキョーコちゃんを気にも止めず蓮は話を続ける。
「はい。エメラルド」
「んなっ!!?」
(れ、蓮くん!?)
今度はエメラルドがきらめく指輪を彼女の指にはめた。
あまりの突然のことに、キョーコちゃんの大きな目はぐるぐる回っている。

「5月5日は、こどもの日だよね」
「……は、はい……あの……」
「ということで、俺と子供……作ってみない?」

「「……!!!?」」

るぇ~んく~ん!
なっ何を言い出すんだ!
純情乙女なキョーコちゃんは、最初何を言われたかわかっていなかったみたいだけど、徐々に顔が真っ赤になったと思ったら次は真っ青になって、椅子を倒しながら物凄い勢いで立ち上がった。

「よっ夜の帝王になりながら、何を仰っているんですかっ!
それに、こんな高価なお洋服と指輪……っ軽々しく後輩ごときにあげるような代物ではありませんっっ」
「なんで?俺は君と(将来的には結婚して)子作りがしたいと思ったから、その気持ちを伝えたんだけど?」
「こっ……子作っ……破廉恥です~!」

キョーコちゃんは目に涙を溜めて叫びながら控室から飛び出して行った……。



「社さん、今の告白、なにか不味かったですか?」
(ぶっ……!)
「蓮?アレ……告白だったのか?」
「そうですけど、いけませんか?」
顔に似合わず恋愛初心者、恋愛音痴とは思っていたが、ここまでとは……。

「蓮君、付き合ってもいない後輩の女の子にアレは、ただのセクハラだと思うぞ……」


残りの休憩時間、俺は告白とはどういうものか、切々と説く羽目になってしまった。

…………キョーコちゃん、休憩明けの撮影大丈夫かな?

奴の片想いが終わる日はまだ先のようだ。
つまり、この会の活動もまだ暫くは続きそうだ。



                                                            以上

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ゴールデンウィークが終わってからのゴールデンウィークネタ……

【T.K.M】……自分のセンスのなさに愕然としました。・゜゜(ノД`)