大切な人たちに。
「ぎゅっ」

モー子さんにしようとすると、掌を額に突き付けて断られる。
そんなツレナイ仕草もクールビューティーなモー子さんがすると、うっとりするくらいにキレイ。


マリアちゃんにすると、ほっぺをピンクに染めて「えへへっ」と少し照れながらもぎゅっと抱き返してくれる。
かわいい。兄弟のいない私にとってマリアちゃんは、それはそれは可愛い妹のような存在。


だるまやのご夫妻にも。女将さんの柔らかくて暖かい腕に、大将の大きくて、でも料理人らしい繊細な手に。照れながらも受け入れてくれる優しい方たち。


社さんにも。業務外にもかかわらず時にはマネージャーのいない私のことまでフォローしてくれる感謝の意味で…………あれっ?
寒い、寒いわっ!社さんもガタガタ震えてる。「ヒイッ!やっ……闇の国の方々がお迎えに……っ」なんだか訳のわからないことを叫んでるので、そっとしておいてあげた。
……社さんにはやめておくわ。なんだかその方がいいって神様からのお告げが聞こえた気がしたから。


敦賀さんには…………できないわ!破廉恥な!!
考えただけで動悸が激しくなって、口から心臓が猛ダッシュで飛び出しそうになる。
でも、抱き締められていい香りを胸いっぱいに吸い込むと、脳みそが溶けて鼻から出てしまうんじゃないかと思うくらい。気持ちいい。恥ずかしくて、どうしていいかわからなくてソワソワするのに、安心する。
もちろん、私が感謝している方々の中でも一番お世話になっていて、一番強く抱きしめたいのに。

…………私だけを抱きしめてほしい。

自覚してしまったこの気持ち。
二度と恋なんてしないと誓ったのに。厳重に厳重に鍵をかけた箱は、開いてしまったら脆いもので。

お願い
あの神々しい笑顔をむけて
名前を呼んで
優しくその腕の中で…………




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なんだかまとまらない駄文でした。
日々、文章力不足を実感しています。