某部室にて。


「……そんなに……好きなの……社さん……」

少しの空き時間、社さんの計らいで彼女のいる部室で休ませてもらおうと思い、扉に手をかけた瞬間に聞こえてきた、彼女と彼女の親友の会話に思わず動きが止まった。

「うん。ずっと考えてしまって……頭からはなれないの……」
「でも……敦賀さん……いいの?」
「関係ないわ……やっぱり、社さんが……いいの」
「以外だわ」
「そう?優しくて穏やかで、仕事も出来て……まさに理想の旦那様よ!」
「告白、するの?」
「ええ。もう気持ちが抑えられないの」

…………告白?最上さんが、社さんに?





某事務所、カフェテリアにて。


「嬉しいな。俺も大好きだよ」
「本当ですか?よかった!……では、これからよろしくお願いしますね」
「うん。もちろん。
あっ、でもこのことは蓮には秘密にしていてくれるかな?」
「はい。では明日、お仕事の後部室でお待ちしてます」
「……あっ……蓮……」

社さんと最上さんが立ち上がって振り替えると、俺に気付いて慌てていた。
途中で、合流しようとカフェテリアにきたが、入り込める雰囲気ではなくそのまま立ち尽くしてしまった。

「……今、……聞いてたか?」
「いえ?どうかしたんですか?」

とっさに、たった今ここに来たかのように振る舞ってしまった。





翌日、再び某部室にて。


……来てしまった。
昨日の最上さんとの約束通り、社さんが部室に入っていく姿を見て、こっそりついてきてしまった。

「ありがとう。キョーコちゃん」
「社さんに喜んでもらえて嬉しいです!!」

やっぱり、二人は付き合っているのか?
最上さんは社さんに告白したのか?社さんはそれを受け入れたのか?

「また、明日もお会いできますか?」
「うん。いいよ。20時ごろになるけど、いかな?」
「はい!私は19時には事務所に戻れる予定ですので。ありがとうございます」

えへへっと笑った最上さんの嬉しそうな声にショックを受け、その場を立ち去った。




∞∞∞∞***∞∞∞∞

……続きます。

今回のテーマは、
蓮さんが、立ち聞きしまくる。
                           …………そのまんまです!

…………辻褄合わせのため、ちょっと修正しました。未熟者でお恥ずかしいです。