最早、おまけの方が長くなってしまいました。
これぞ、無計画!!
都内、某ホテル
「本日は私、敦賀蓮と京子の交際発表記者会見にお越しいただきありがとうございます」
愛する息子(極秘)が大切な宝物を手に入れた。
今日はそれを世間の皆さんに報告する記者会見。
2日前、ボスからの電話で事の次第を聞き映像を見せてもらった。
これまで、自分は幸せになってはいけないと悩み苦しむ彼の姿に私も妻も心配で堪らなかったが、ただ見守るしかなかった。
だからボスからの電話に私と妻は抱き合って喜んだ。
…………だが!簡単には許せないことがある!!
ボスに頼んで潜入した記者会見場。
長めの黒髪ウィッグと黒縁メガネ。肩にカメラを提げて記者席に座り、質問のチャンスを待つ。
『それでは、只今より質問にお答えいたします』
司会者の言葉に一斉に記者たちが手を挙げる。
『週刊女性○○と申します。
敦賀さんは、京子さんのどんなところに惹かれたのでしょうか』
「彼女は俺が悩んでいる時、つまづいた時に傍で支えてくれました。とても感謝していますし、彼女なしでは今の俺はありません。
もちろん家庭的で料理も上手く、とても気遣いのできる素敵な女性だと思います。それに可愛いくて、声も鈴のように綺麗で『他に質問のある方』」
あっ!
満面の笑みで質問に答える彼の発言が途中で遮られた。
(もっとキョーコのことを聞きたかったのに……)
『月刊芸能××です。京子さんはお料理が得意とのことですが、敦賀さんの一番のお気に入りはなんですか?』
「えぇ。彼女は本当に料理が得意で、何を作ってもプロ並みの腕前なんです。オムライスも美味しいしハンバーグも最高だし。和食も完璧で、エスニックだって『次の質問に移らせていただきます』」
ああっまた!
どうして司会者は途中で彼の言葉を遮るんだ?
『△△新聞です。どちらから告白されたのですか?また、告白の言葉を教えてください』
「告白したのは俺からです。告白の言葉は二人だけの秘密です」
この質問は答え辛いだろうな。
彼の隣でキョーコは顔を赤くしたり青くしたり忙しくそうだ。
(どんな顔色でもキョーコはかわいいなぁ)
所々、彼が彼女についての愛の賛辞を司会者に遮られながらも会見は進み、終わりに近付く。
『それでは、次が最後の質問にさせていただきます』
司会者の言葉に私は勢いよく手を挙げ質問した。
「週刊園芸バンザイの保津田です。告白の前に京子さんに強引にキスをしたそうですが、どのようなおつもりですか?」
「「っっ!!!!??」」
二人揃って驚きのあまり椅子から落ちそうになっている。
「なんっ!!……ゴホッ……ど、どうしてそれを!?」
「質問にお答えください」
「……ゴホッ……彼女への思いが先走ってしまった結果です。気持ちを告げる前に行動してしまったことは反省していますし、彼女にも謝りました」
「……わ、私も……嫌……では、なかったので……。むしろ、嬉しい……キャッ!」
キョーコの可愛い言葉に彼がつい肩を抱き寄せた。
突っ込んだ割には、二人のラブラブさに返り討ちにあってしまった……。
いや、ここで怯んではいかん!
「交際前にキスをするなど言語道断!!娘はやらん!」
「「!!!??」」
勢いに任せて立ち上がった私を見て、変装しているとはいえ二人には正体がわかってしまったようだな。
『こっこれにて、記者会見は終了いたします。本日はお越しいただきありがとうございました!』
司会者が急いでその場を取り仕切るが、主役の二人は呆然として退席するのも忘れている。
ピーピピーピーピーー!!
ドンドコドンドコ……!
突然笛と太鼓の音と共にサンバ隊が突入して二人を浚って行った。
記者達も状況についていけず、呆然とする中、俺もこの後のパーティーに参加するため変装を解いて迎賓館に向かった。
『娘はやらん!』
これが言ってみたくて来日したんだ。
目的達成!!
満足満足♪
∞∞∞∞***∞∞∞∞
私の大好きな茶飲み友達様とのコメントからまたヒントをいただいてしまいました。
次は、地団駄ヒントをくださった素敵なお方様から思いついたモノをお出しできればと思います☆
それにしても、ちっとも甘くならなかったです。
うううぅ文才が欲しい……。
スーパーに売ってないかしら?