(朝´∀`){♪Good Morning♪}(´∀`朝)
おはようです。

更新の時間があまりにも深夜だったので、予約投稿してみました~ヽ(*・ω・)人(・ω・*)ノ

先日梅雨の晴れ間の良いお天気の日に妄想しました♪



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梅雨の晴れ間の昼下がり。 

続く長雨の中、久しぶりのすっきりした気持ちのいい空気に、「偶には木陰でひなたぼっこでもしたいな」なんて社さんと雑談もしていたけれど。

 

(さすがにコレはないと思う…)

 

移動の途中で寄った事務所。

社さんの配慮のおかげでラブミー部室へと足を運んだ俺は、人気のない室内にため息をひとつ吐いて、社内を散策していた。

いくら大きな建物とはいえ、今更散策するほどでもない。

要は目的の人物、最上さんを探して彷徨っているのだ。

こんな姿を社さんに見られたら、『ご主人様を探している大型犬みたいだな』なんてニヤニヤしながら言われそうだ。

 

それにしても見当たらない。 

社さんの情報では、午後から夕方までラブミー部の仕事で社内にいるはずなのに。

 

最上さんが行きそうなは行き尽くしても、最上さんは見つからなかった。

もしかしたら行き違いになって、部室に戻っているかもしれない。 

そう思って、差し入れの飲み物を買いに自販機に向かう。 

 

自販機の横の大きな窓からなにげなく中庭を見下ろした時、爽やかな初夏のみずみずしい緑の中に、自然界ではありえないような色が紛れているのを見つけた。

 

(最上さん!?)

 

毒々しいまでにどピンクのツナギと明るい茶髪のショートヘア。

まぎれもなくラブミーツナギを来た最上さんだった。

 

慌てて向かった中庭。 

彼女の姿を見つけて俺は、深く深くため息をついた。

 

「なんって場所で寝ているんだ…無防備にもほどがある」

 

社長の趣味で作られたイングリッシュガーデン風なこの中庭は、LME社員や所属芸能人たちの憩いの場所となっている。 

そんな中庭の片隅で無防備にも眠る最上さんは、まるで童話に出てくるお姫様のようだ。

 

「ドピンクツナギのお姫さま…」

 

たとえどんな姿をしていようと、世界で一番可愛らしく見える。

彼女の傍らにそっとしゃがんで、真っ白な頬に掛かる髪の毛をそっとよける。

 

「んんっ」

 

くすぐったそうに眉根を寄せるが、起きる気配がない。 

 

最近では彼女の演技が高評価をうけ、順調に仕事が増えているという最上さん。 

それでもラブミー部の仕事を積極的に請け負う彼女は、相当忙しいのだろう。

気持ちよさそうに眠る彼女を起こしては可哀想だとも思うけど、ここではあまりにも無防備すぎる。

 

少し考えた末、彼女を抱き上げ、近くのベンチに座り膝の上に彼女の頭を乗せた。

それでも起きないということは、相当疲れているのかもしれない。

気持ちよさそうに眠るあまりの無防備さに説教のひとつでもしようと思っていた俺は、完全に毒気を抜かれてしまった。

 

(軽井沢の時とは逆だな)

 

髪を透き通る爽やかな初夏の風と緑を感じて、ダークムーンの撮影で訪れた軽井沢でのことを思い出した。

あの時は、寝顔を下から見つめられるのは物凄く恥ずかしいと泣かせてしまった。

 

(そういえばそっと髪を撫でられて、とても気持ちがよくて、心の中のわだかまりがほどけていったんだっけ)

 

そう思って、彼女の髪に手を伸ばす。

起こさないようにそっと髪を梳くと。

気持ちよさそうに口元をふよふよさせる。

その姿があまりにも可愛くて、指を通る彼女のサラサラの髪の感触が気持ちよくて、何度も何度も繰り返してしまう。 

 

「んぅ…つるがさん…きもち…い…」

 

「っ!!?」

 

まさか寝言で名前を呼ばれるとは思わなかった俺は、おどろいて身体を強張らせてしまった。

 

「ん…あれ…

 

異変に気付いた最上さんが目を覚ましてしまった。 

 

「………」

 

「………」

 

流れる沈黙。

 

「い…っやぁぁ~!!」

 

勢いよく起き上がった彼女とぶつからないように、素早く頭を逸らして避けた。 

我ながらいい反射神経だったと思う。 

 

「おはよう最上さん」

 

「つ、つ…敦賀さんっ!ななななんでっ!?」

 

「いや、あんまりにも気持ちよさそうに寝ていたから、起こすのが可哀想で…。でも大丈夫。下から寝顔見たりなんてしてないよ?」

 

「う、上からだって恥ずかしいですっ!!」

 

混乱から戻ってこれない最上さんを落ち着かせるように、そっと頭を撫でた。

さっきの彼女のさらさらの髪とまるくかたちのいい頭が忘れられなかったから。

 

「落ち着いた?」

 

混乱のあまり、俺が頭を撫でていることにも気づかなかった最上さんが、モゾモゾと動き出した。

 

「はい。あの…私はなぜここに…?つ、敦賀さんは一体何を…?」

 

頬をピンクに染めて、俺を見上げる姿が可愛らしくて、抱き締めたい衝動を堪えるのが大変だ。

 

「あれ?やだなぁ。君が中庭で寝こけているのを発見したから、襲われないように守っていたんだよ」

 

「ふぇ?」

 

「いくら事務所内でも、こんなところで一人で寝ていたらあぶないよ?」

 

「わ、私みたいな地味で色気のない女にそんなこと…」

 

「最上さんの寝顔…最高に可愛かったよ?」

 

「んなっ!?……このぉ……やっぱタラシ…」

 

「ん?何か?」

 

「お~い、蓮くぅ~ん??」

 

(あ…)

 

軽い応酬の合間に声を掛けられ、振り返ると気まずそうな顔の社さんが立っていた。

 

「いくら事務所内でも、コンナトコロでソンナコトしてたら、心穏やかではいられないよ~」

 

社さんの言葉に辺りを見回せば、あちらこちらでチラチラと視線を感じたが、こちらが視線を送るとサッと目を逸らされる。 

さすが大手芸能事務所LMEの社員だけあって、俺たちのことも見て見ぬふりを決め込んでいる。

 

「…あ~蓮、そろそろ時間だ」

 

社さんからのタイムアップに、ベンチから腰を浮かせて最上さんに向き直った。

 

「それじゃ最上さん、いってきます」

 

「はい。お仕事頑張ってきてくださいね」

 

まるで新婚夫婦みたいな会話だなって呟く社さん。 

ついこの一瞬で新妻最上さんを想像して、いっそう離れがたくなってしまった。

 

「そうだ!キョーコちゃん、今日蓮は20時には終わる予定なんだ。久しぶりに蓮の食事をお願いしてもいいかな?こいつ、最近また食べてくれなくて…」

 

そんな俺の気持ちを察した社さんが、最上さんに食事の依頼をしてくれる。 

 

「つーるーがーさーん!!?わかりました!!栄養満点なお食事を用意しておきますね」

 

俺の心を察してくれた社さんに感謝!

食事を疎かにした俺への最上さんのお小言だって、俺にはいつまでも聞いていたい音色だった。

 

最上さんに別れを告げ、次の現場にむかいながら、社さんに俺を言った。

 

「ありがとうございます」

 

「ヘタレもほどほどにな。捨てられた大型犬みたいだったぞ」

 

そう言ってぐふぐふと笑う社さん。

いくら揶揄われたって、背に腹は代えられない。

 

「がんばります」

 

 

ご主人様からのご褒美をもらうべく仕事に励むのだった。

 






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