こんばんは。 

11月22日〖いい夫婦の日〗に因んで、初めての結婚後を書いてみました(*'-'*)エヘヘ

……はずが!!

 

甘くもなければ、何故かメインは蓮キョじゃないっていうヽ(;´Д`)ノ

 

 

注)しょうちゃんが出ます。お好みでない方はここより先には進まれませんようお願いします。

 

 

 

 

 

 

★─☆。o゚。★─☆。o゚。★─☆。o゚1122。★─☆。o゚。★─☆。o゚。★─☆。o゚。

 

 

気に入らねぇ…

本っ当~に気に入らねぇ!

 

 

さっきから足元にピシピシ突き刺さる小さな刺激。

肩や背中に圧し掛かる僅かな重み。 

セットした髪は所々引っ張られて違う方向に跳ねてしまった。 

 

 

「っっだあぁぁぁ~~!!なんっなんだよ!お前はぁ!?」

 

いくらオレでも流石に我慢の限界だ!

 

本来なら近寄るのも御免な都心の高級タワマン。 

最上階をワンフロア独占するその巨大な部屋のだだっ広いリビング。

実家の親からキョーコへ渡して欲しいものがあると荷物を預かったせいで渋々訪れたこの部屋で、ある意味熱烈な歓迎を受けていた。

 

 

オレはソファから立ち上がり、今度は背中にぶら下がる小さな物体を捕まえようと腕を回した。

 

「っ!は、はなせ!しょーたろー!!」

 

背中に張り付いた物体を引きはがし目の前に持ち上げると、ソレはジタバタと暴れながら俺に向かって両腕をふりまわす。

 

「こらっ呼び捨てにすんなっ!」

 

持ち上げた腕を少し前に伸ばせば、手も足も全然オレに届かなくて虚しく空を切るばかり。

そんな小さな身体でオレに対抗しようなんて5万年早いんだよっ。

 

「うるさい!しょーたろーはままにちかづくな!」

 

小さな手で握りしめている武器擬きはおそらくコイツの手作り。

芸能界イチのゴージャスターな家のはずなのにこの貧乏くささ…

 

さすがキョーコの息子だな)

 

つい遥か昔を懐かしんで、口元が緩んだ。

 

「ままはしょーたろーのかおをみるとプリプリするんだっ。だからしょーたろーはわるいヤツだ!」

 

「はははっ。アイツ、まだ俺見てプリプリしてんのか?」

 

相変わらだなアイツも。

 

15歳でアイツと道が分かれてから10年。

一度手放した女に執着するなんてオレらしくない、無様な姿を晒して足掻いてでももう一度傍にいて欲しかった最高の女。

オレが原因で拗らせた恋愛方面を解いて解して甘く煮溶かしたのは、オレがこの世界で最も気に入らない男だった。 

結婚会見時の敦賀の半端ないノロケっぷりは、人気ナンバーワン俳優の結婚という事実以上の衝撃を世間にもたらし、有無を言わさず二人の結婚は受け入れられた。

 

そして生まれたのがこのやんちゃ坊主。

結婚と同時に…それ以上に世間を騒がせた敦賀の出生。 

その血筋が色濃く受け継がれたブロンドの髪。

手を加えて造った金髪とは違う天然の輝き。

まるで彫刻のような左右のバランスが完璧な容姿。

瞳の色だけはキョーコと同じアーモンド色だった。

 

「それにぱぱがいってた。しょーたろーはむかしままとよくけんかしてたって」

 

興奮で子供特有のぷっくりとした頬はピンク色に染まっている。

 

「ままをかなしませるやつはゆるさないぞ!

 

いっちょまえにキョーコのナイト気取りか。

王子様とか妖精とかナイトとか…。 

キョーコのメルヘン思考は遺伝子にでも組み込まれてんのか?

 

「もう悲しませねぇよ」

 

アイツには二人も守ってくれる存在ができたんだな。

整理をつけたはずの感情が蘇って、急な焦燥感に胸が締まる。

若かったとはいえ、アイツを守る権利を自ら手放したのはオレだ。

 

キョーコの小さなナイトの髪をクシャクシャに撫でた。

指の間を流れる細く柔らかい髪。

 

「でも。しょーたろーがうたってると、ときどきやさしいかおするときもあるんだ」

 

少し興奮が冷めてきたのか俺の隣に腰かけながら、ポツポツと話し出した。

 

「へぇ」

 

「そんなときぱぱのそばにいると、なつでもさむ~くなるんだ」

 

敦賀…。 

キョーコを名実ともに家族にして子供までいるってのに、まだそんなに余裕ないのかよ…。

春の陽だまりなんて欠片もない、あの嫉妬の炎を宿した鬼畜なまでの顔を思い出して呆れる。

 

暴れすぎたやんちゃ坊主は、体力の限界とばかりにオレの膝に頭を乗せ目をこする。

起きている時は憎らしいほどに敦賀にそっくりな顔が、目を閉じると幼いころに見たキョーコの寝顔に重なる。

子どもって不思議だ。

 

 

「あら、寝ちゃったの?」

 

暫くしてキッチンからキョーコが顔を出した。

その後ろから大きな男が続いて現れる。

 

「俺が運ぶよ」

 

キョーコの後ろから無駄に長い腕が伸びて、オレの膝の上で眠るその小さな身体を抱き上げた。 

 

「ありがとう」

 

キョーコの一言に、蕩けそうな笑顔で答えている。  

こんな表情、テレビは絶対見せない。

 

「ところで不破君。気にはいつまでここにいるんだ?」

 

オレに向ける視線は相変わらずだ…。

 

「はぁ?オレだって早く帰りてぇよ!あんたのオクサマが待ってろって言うから…」

 

おいおい、結婚して何年だよ…

『奥様』ワードに顔面崩してんじゃねぇよ…

オレの呆れ顔に気づいたキョーコが慌てて袋を押し付けてきた。

 

「ほ、ほらっ、いくつかお惣菜にしておいたからちゃんと食べて女将さんにお礼を言うのよ!」

 

「不破君、君がキョーコの手料理を食べれるなんて、京野菜を送ってくださったお母様に感謝してね」

 

「………」

 

独占欲を隠す気も更々ないんだな。

ほんっと重苦しいまでの愛情だな。

でも、幼いころから絶対的に愛情不足なキョーコにはこのくらい重量級の愛情表現がちょうどいいんだろうな。

 

 

マンションのエントランスを抜けて最上階を見上げ、さっきまでいた暖かい部屋での光景を思い出す。

眠ったチビを抱きかかえる敦賀の姿と、そんな二人を愛おしそうに見つめるキョーコの姿。

未だに燻る少しだけの胸の痛み。

 

 

はぁ…

「ほんっと…気に入らねぇ…」 

 

 

呟いた独り言は11月の寒空の下、誰に聞かれるでもなく冷たい空気に溶けていった。

なんだか寒さがいつもに増して身に染みるのは、明日がこの冬初めての降雪予報のせいだけじゃない気がした。 

 

 

 

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蓮さんの息子…

やんちゃ坊主設定にしてみました。 

 

だ、だいじょうぶかにゃ?オロオロ(゚ロ゚;))((;゚ロ゚)オロオロ

 

 

 

 



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