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「敦賀…さん?どうしたんですか?……あっもしかして、新しい役作りとかっ!?」
掴まれた腕を気にしながら不安そうにしていた彼女だったが、突然納得がいったように明るい声をあげた。
「……あの、敦賀さん?」
彼女の腕を掴んで黙ったままの俺に、沈黙が耐えられなの問いかける。
だから俺は彼女の腕を離し、「敦賀蓮」の顔で彼女に微笑みかけた。
「驚いた?怖がらせてごめん。それに急にあんなこと…お礼に食事でもどうかな?」
そう言えば途端に彼女の表情は明るくなり、そして少しはにかみながら俺に抗議した。
「もうっ、それを言うなら「お礼」じゃなくて「お詫び」です!急にあ、あん…な……他の女の子だったら今頃大変なことになってますよっ」
駐車場での行為を思い出して赤面する彼女。
無邪気な顔で、他の子なら…なんて辛辣な言葉で俺の心を抉る。
その悪意のない無自覚が、俺をいっそう深い所へと追いやった。
「ごめんごめん。近くに美味しいハンバーグが食べられるところがあるんだ。そこに行こう?」
「ハンバーグ?」
「目玉焼きもね」
俺が食事に興味を持ったと気取らせれば、嬉しそうに後についてくる。
「こんな…街から外れた海沿いの……お店なんてどこにも見当たりませんよ?」
辺りを見回して、不思議そうにする彼女。
「あそこだよ」
無機質な箱のような建物が並ぶ中、ひとつだけ場違いな程に豪奢な洋館が建っている。
そこで食べるハンバーグは、もちろん君が作ったもの。
唐突にポケットの中が振動した。
きっと、行先も告げずに出かけた俺を心配したマネージャーだろう。
俺は彼女に気づかれないようにそっと電源を落とした。
「さぁ、早く行こう」
おとなしく俺の差し出した手を取った彼女。
その彼女に歩幅にあわせ、ゆっくりと進んだ。
もうすぐ。
もうすぐ。
誰もいない二人だけの場所。
さあ、ここで二人だけで過ごそう。
もういっそ…
『ソノ羽ヲ手折ルマデ』
⇒まずは食事を共にして油断させる。
ぽてとあげたい様宅 に続きます。
⇒洋館に入った途端、鍵をかける。
sei様宅 に続きます。