13年は一言で語れない! Vol 35 邪魔者
出産退院後~生活編
抗生剤を変えたのを境に葉月の熱は安定し、ずっと37,2°~37,5°をいったりきたり。
M先生は赤ちゃんの平熱は元から高いので、この熱ならもう大丈夫と太鼓判を押した。
そして、意外と早く退院を言い渡されるわけだけど、私と母はこの退院を素直に受け止めることができなかった。
まだ、頭に白いブツブツが残っているのと微熱、(T┰T )嘔吐が気になり、すっきり、熱がとれるまで入院させてほしいと言いました。
M先生
『おかぁーさん、そんなに気にせんでも、モォー大丈夫やてぇー。それより、赤ちゃんが新生児やから他の病気が移ってもあかんし、家に帰ってノンビリするほうがいいと思うけど。
抗生剤も終わってるし、ここで何もすることがないからねぇ・・・。
飲み薬だけ、きっちり飲んでもらえたら、家のほうがええって。』
サマンサ
『ほんまに、大丈夫なんかなぁー?なんか、微妙・・・。』
婦長
『ん・・・まぁ、お母さんが心配されるのもわかるんですけど、赤ちゃんの二次感染を防ぐためにも早く退院してもらうほうがいいと思うんです。
あと、いま、小児科の病棟が満員で、昨日も救急でこられた患者さんが他の病院へ回られたんで。。。』
それって、早く追出し作戦決行?
発病してまだ4日目やん?
サマンサ
『それって・・・病室が満員やから早く追出したいみたいに聞こえますよ(笑)』←率直に嫌味
婦長
『(-。-;)ぃぇ・・・別にそんなわけでは・・・ないんですけど・・・。とりあえず、退院をお考えください。また、決まったら看護婦に言っていただけたら結構ですので。』
サマンサ
『はぃ。わかりました。』
ε-(ーдー)ハァなんか、嫌な感じ~
てか、MRSAって病院では嫌われてるって感じがする?
そっか!
他の患者に移すかも?ってことで早く帰ってほしいねんや?
M先生
『まぁ、お母さん、心配せんで大丈夫やと、思いますよ?少々吐いても飲めてるわけやし。
何かあったら、また、来てくれはったらええねんし。
まぁ、何かあったら困るけど・・・。(-。-;)』
母
『先生、頭の白いブツブツとか咳とか全然治ってないように思うんですけど、ほんまに、大丈夫なんでっしゃろか?
あんなことに、また、ならへんか、心配なんですけど・・・?』
葉月の頭をさすりながら診察するM先生。
難しい顔してるやん・・・?
(¬o¬)----☆ 怪しい
M先生
『ん~。大丈夫やと思うんやけどなぁ・・・。まぁ、今日、一日あるんで様子をみて、このままの調子なら退院ってことでいでしょうか?』
そういって、婦長とM先生は出て行き、私と母は顔を見合わせ、お互いの心配を確かめた。
このまま心配だからとここに居座っても邪魔者扱いされるようだし・・・。
かといって、家に帰っても本当に大丈夫なものか・・・?
MRSAは体からきえてるんだろうか?
菌の棲み分けがうまくいったってことなんだろうか?
熱が下がっただけで、いともたやすく治ったなどと言える様な病気なんだろうか?
疑問の数々・・・。
退院なら退院で、もっと、ちゃんとした説明が欲しいと思った。
それから10分ほどした後、M先生と看護婦が部屋に戻ってきた。
葉月の採血と尿の採取をするらしく、私と母は部屋から有無言わさず追出されたんです。
ここの病院の決まりで子供の注射などをする際、親は子供のそばから離れなければならず、それは、新生児でもおなじようだった。
理由は聞いてないけど、親が側にいると子供が甘えて余計に嫌がったり、親がその子供の様子を見て「なにするのよっ!」などと逆上したり、心理的にも好ましくないことや、なにより、先生たちが作業をしにくいんだろうと思う。
葉月は新生児のくせに痛いことをされるのがわかっているのか、M先生と看護婦さんが近づいただけで大声で泣き始めた。
病室の外にでていようが、葉月の泣き声はきこえるわけで・・・。
私はその声をきくと胸が苦しくなり、苦痛でたまらず、小児病棟のドアの外にでていった。
母も同じ気持ちだったようで、私の後を追いかけてくる。
サマンサ
『ごめん、ママ。ゆっくり、歩くわ。背中大丈夫?』
母
『私のことは気にせんでええから。自分のことと、赤ちゃんのことだけ考えとき。( ´-`)』
母のその言葉で私は胸につかえているものがあふれ出し、その場で大泣きをしてしまっていた。
しばらくして病室に戻るとM先生たちは作業を終えたらしく、病室には赤ちゃんが一人。
誰もいない薄暗い病室の中、小さなベッドで泣いている葉月。
私はすぐに駆け寄り葉月を抱き上げ、赤ちゃんに「痛いことしてゴメンネ」と謝っていた。
泣いている葉月の腕を見ると、青あざができていた。
採血のときに血管が細く、出にくいため、きっと・・・きつく、しばったんだろう・・・。
そうだね、ここにいるより、お家に帰るほうが葉月もいいよね?
そうしよう。明日、お家に帰ろう。
退院を決意し、旦那に電話をすることに。
M先生が言ったこと、婦長が言ったこと、全て話し退院をすることを旦那に伝える。
旦那
『明日かぃなぁ~。えらい、急やなぁ~。明日なぁ・・・。あーちゃん、来てくれはれへんの?』
サマンサ
『いや・・・来るんちゃうかな・・・?来るなって言っても来る人やし・・・。』
旦那
『ほな、あーちゃんに来てもらってタクシーで帰ってきてやぁ~。僕、今日の晩に荷物だけ取りにいったるからぁ~。それやったら帰ってこれるやろぉ~?』
相変わらず・・・や。
タクシー代、なんぼ掛かるか知ってるんやろか?
しってるわな?
8年前の半年ぐらいは、その仕事をやっててんから。
サマンサ
『明日、タクシーで帰るんやったら、今日のお弁当は買われへんし・・・いま、持ち金4000円やから。かまへんかな?』
旦那
『え~ ( ̄ο ̄) 僕、夕飯抜きなん?最悪・・・。』
サマンサ
『退院費、まだいくらかわかれへんねんけど、待ってくれるらしいし。それも、ボーナスで払うってことにしておいてええんかな?』
旦那
『そんなん、恥ずかしいやんか。昨日、言ってたカードで金出して、払っときぃーやぁー。そこの病院、ATMあったやろ?』
サマンサ
『だからさ・・・JCBとかで借りたら金利つくし、分割でもすぐに来月あたりから払わなあかんねんで?病院も待ってくれるっていうてんねんから・・・。待ってもらったらえんちゃうの?』
旦那
『( ̄- ̄メ)チッ そんな・・・惨めったらしい・・・。金利はつくかもしれんけど、それこそ、ボーナスで返したらええねんから、病院代は払っときって!今後のこともあるやろうし、また、いつ、世話になるか、わからんねんから。
印象は悪くないほうがええやろぉっ?なっ、そうしときって。
あっ、どうせ、おろすんやったら晩飯代もおろして、僕の弁当も買っといてな。ほんじゃ、夜いくわな。』
サマンサ
『えっ?いくらか、わからんのに、今日にお金を借りとくの?』
旦那
『20万もあったらええやろ?どうせ、今月は金がないねんから、いるやろぉ?』
確かに。。。今月は既に貯金も使い果たし、財布の中身がすっからかん。
サマンサ
『う・・うん・・・。わかった・・・。』
そして、退院することに。
でも!これでは終わらない!
続きは次回。
んじゃ、またぁ。