自分の原点に戻る

これが今回の日本滞在のテーマだったように思えます。

 

滞在期間中に、大きなイベント(目的)が2つありました。

まずは3日間のカリグラフィーのレッスン、

もう一つは書道の師範試験です。

 

今回もまたたくさんの「出会い」、人に恵まれました。

 

私の前職に関係する仕事をしている方たちとの出会い、

高校時代の恩師や仲間との再会、

 

自分の過去を振り返らざるを得ない

状況になったり、今まで胸の内にしまっていたことを

自分の口から語らないといけない機会が何度もありました。

 

無かったことにはできないし、きちんと受け入れていかないと

先に進めないのだと確信しました。

 

言葉を選び話しながら、私はたくさんの人に支えられてこの10年近いパリ生活を

送ってきたのだと気づき、ウルっとする瞬間がありました。

決してシンプルな道ではありませんでした。

紆余曲折、パティシエの仕事を諦めようと決意、挫折も味わいました。

今まで出会った人たちの言葉、表情を思い出すと胸がぎゅっとなってしまいます。

 

今思うと、感謝を忘れてはいけないということを

心得る為の出会いだったのかもしれません。

 

 

まだ日本に住んでいた頃。

 

町の小さな洋菓子店で働きながら、「得意なことはやった方が良い」

という理由で週に1度早退の許可を得て、書道のお稽古に通っていました。

 

いつか師範を取りたいと思っていたけれど、

その当時はまだまだそんな日が来ることなんて想像ができず

ただ、毎月の課題を出すのに追われていました。

 

パリに住み始めてから学校、仕事と余裕がなくなり、書道は数年間お休みしていましたが、

2014年から再開しました。

それまでの段位を継続することができたので、またコツコツとスタートさせました。

着実に段位を上げ、師範への道が現実的になってきました。

カリグラフィーもそれから少し経ってから習い始めました。

今年で4年目になります。

 

この3年間、楽しくはあったのですが、

向い風に抵抗しながら必死でやってきました。

“向い風”と書いたのは決して楽ではなかったからです。

 

今回のカリグラフィーの3日間の東京レッスンは

これまで培ってきた経験、学びを凝縮したものです。

 

ブログを始めて、ずっとずっと読んでくださっている方が

レッスンに来てくださったり。

(本当にうれしかったぁ(*^-^*))

 

試行錯誤しながらやってきて、形になる。

 

夢見ていた世界が現実になることの喜びは、

いつも言葉になりません。

 

 

書道に関しては私よりも後に始めた人たちが、師範を取得していく姿を

横目で見て、焦りを感じたこともありました。

 

書道は休んでいたけど、怠けていたわけじゃない、

あの時やらなければならない別の目標があったじゃない...

 

もどかしい思い。

 

そうこうしているうちに受験資格の基準が厳しくなり、

遠のいていく師範取得というゴール。

 

もちろん取得したから終わりでないのですが、

これは自分の為。

自分との約束なんです。

 

パティシエを辞めたことに後悔はありませんが、

それが何であれ「辞めた」「逃げた」という事実。

 

「ダメな人間なんだ」と自分を追い詰めるのが嫌でした。

 

だから、何か一つ自分が納得する形で「成し遂げたこと」を

作ってあげたかった。

私の心が納得、自分で自分を認めてあげることが

ここでのステップ、ポイントです。

 

まずは核の部分を安定させること。

そこから発展、貢献できたら幸せだと思うのです。

 

「どうしてパリに行ったのですか?」

という質問が本当に苦手で。

何故ならきっかけであることを自ら諦めてしまったから。

一言で言うと挫折したから、堂々と答えられなかったのです。

 

格好良いことなんてひとつもなくて、

輝かしい経歴もない。

 

だから今日まで、書道とカリグラフィーを頑張ってきて

今はこれをやってます!って言えるようになったことが

過去の自分へ許しを得た気分になっり、心が落ち着けるようになりました。

 

どうしたらこのモヤモヤは消えるんだろう。

自分の頭で考えて、自分の力で越えていくしか解決策はないのだと思います。

 

好きなことをやる、

自分らしく生きていくことって本当に大事。

 

まだ師範試験に合格したわけではないですが、

ここまで辿り着いて、挑戦したことに意味があると思っています。

 

私はいつも挑戦する人を応援しています。

 

 

今回一年に一度の試験のタイミングで

日本に帰って来られたことが本当に嬉しかった。。。

 

試験は数日間に渡って行われたのですが

途中、この10年の記憶が走馬灯のように頭を駆け巡りました。

 

辛い思い出もあるけれど、

それがあったからと今があると前向きに思えるようになっている自分がいて、

これは諦めずにやってきたからだと実感しました。

 

 

細かく書けばキリがないけれど、

何かやろうとすると小さなピンチや障害は必ず訪れます。

 

エールフランス航空のストライキの影響で、

予定していたフライトをキャンセル。

1日早く日本に入ることになって、仕事を終えてから休む暇もなく

空港へ向かうことになったり。

 

その先でも

SNCF(フランス国鉄)のストライキの影響で道路が混み、

自宅から車で空港まで30分あればる道のりで

1時間半もかかってしまったり。

 

自分ではどうすることのできないことが起こった時、

こんな時は平常心を保つことが大事です。

全て受け入れて、

成功している自分の姿を想像し

祈ったりします。

 

 

 

全部繋がっている

 

ひとつ目標をクリアするごとに

確信は深まっていきます。

 

何があっても大丈夫。

 

 

全てのエピソードには必ず何人もの人達が登場して

ドラマチックに展開していく。

 

大切なのは、

人との縁感謝する心

 

 

結局いつも最後はそこに行きつくのです。

 

 

 

 

 

そんな気づきの多い今回の日本滞在。

 

みんな、ありがとう。

 

 

 

 

レッスンの様子も少しずつ投稿していきます♪