ずっとこの記事を書きたかったのだけれど、

気持ちをまとめるにはものすごいエネルギーと時間が必要でした。

 

 

やっと...書くことができます。

 

 

今年の4月、日本に一時帰国したのですが

1番の目的が「書道の師範試験」でした。

 

夫をパリに残し、この試験の為にひとり日本へ行きました。

約3週間、正直長かったです。

 

それでも、1年に1度しかない試験。

パリで受けることはできないので、

ずっとこの時を待っていました。

 

 

 

今回の試験、

 

 

結果から書くと、残念ながら

 

「不合格」でした。

 

 

結果通知からもうだいぶ経ってしまったので

時系列での感情の変化はあまり覚えていませんが

そこまで激しい感情の揺れはありませんでした。

 

結果的に色々なことを深く考える良い結果になりました。

 

 

 

「とにかく書道に夢中です」というブログを書いている以上

今後どうしていくのか、これからの展開や決意みたいなものを

書かないとなぁ。

というか、ここでしか冷静に振り返る場がないので

しっかりと自分の中に落とし込みながらも

読んでくださっている方達に

しっかりと伝える気持ちで書いています。

 

 

結果を知ったのは母からのLINEでした。

 

一瞬、本当に一瞬

「えっ?」

ってなりました。

 

一発、鈍器で殴られたかのようなショック。

 

でも、

当たった瞬間は痛いけど、当たりどころが良くて

後遺症の残るような傷ではない感じ。

 

上手く例えられているのかわからないけど

軽いショックの後、

すぐに結果を受け止めることができました。

 

 

 

不合格によって恐れていたこと、

 

それは何だったのかと考えました。

 

何を失ったのだろうか、と。

 

人に笑われること?

時間とお金...を失ったこと?

 

 

自分自身のことだから、他の人からの評価は特に気にしていません。

 

今まで費やしてきた時間やお金のことを考えると

ちょっと胸がチクっとするのですが、

それを経験に替えたと思ったら

気持ちの整理がつきました。

 

結果は結果なので。

 

 

だったら今起こっているこの意味はなんなんだろう、って考えました。

 

自分に足りないものは何なんだろう。

 

 

技術..なのか、経験...なのか。

 

私が日本に住んでいて、毎月先生の指導を直接受けていたら...

 

点数で見ても、まんべんなく点数は取れていて

取り立ててどこが悪かったということもなかったのです。

全てのカテゴリーであと一点ずづでも高かったら...

 

ここは考えても仕方のないことでした。

 

 

 

でもまず最初に思い浮かんだのは、

書道に対する気持ちが足りなかった

ということです。

 

練習時間も足りていなかった。

 

 

振り返ったらこの1年、圧倒的にカリグラフィーに比重を置いていました。

 

書道の毎月の課題は提出するし、作品展にも出品する。

でも、軌道に乗り始めたカリグラフィーに力を入れる方を選びました。

その前に、漠然とこなしていればいいというものではなかったのです。

 

 

ただでさえ日本語を書かなくなっているのに。

 

ブログは書いても"打つ"ものなので

使う頭が違っていました。

 

日本語を書くとすると毎日綴っている6行の日記のみ。

 

それ以外はアルファベットを書くことがほとんど。

 

カリグラフィーだけでなくメモもアルファベットで書くことが多く

普段目にしているのもアルファベットなので

正直、テスト期間中ローマ字が一つもない世界に「おおおっ」となりました。

 

言い訳はこのくらいにします。

 

 

 

でも、

 

信じられないかもしれませんが

環境ってそれほど影響を受けるものなんです。

 

そんなことでは師範にはなれないと思いました。

 

気持ちも練習量も何もかも、あの時の私には欠けていました。

 

書道の神様はちゃんと私の行いを見ていました。

 

 

・・・・・・

 

 

 

普段、あまり自分のことは人に話さないのですが

何だか人に話したい衝動に駆られました。

 

結果が来てすぐに顔を合わせた友人に報告。

 

ちょっと弱気になって

「パリにいるうちはやめた方がいいのかも、

って思ってる。

正直、気持ちを保つのが大変。」

 

そう言ったら、

 

「もったいない、ここまで来たんだから。

来年は良い結果が聞けるように祈っているし、

応援しているよ^^」

 

と言われました。

 

 

そう、自分の気持ちは、自分でわかっているんです。

絶対に続けるんです。

 

知りたいのはその先の道、

 

どこに向かって、

どう向き合っていくのか、

 

その答えを見つけなければいけませんでした。

 

 

 

そして、私はとある人のアドヴァイスから

ついに答えを出すことができました。

 

 

「そこまで資格って必要なんですか?」

 

それが最初に聞かれた質問でした。

 

 

私の本心はこうです。

 

資格というよりは、前の仕事を辞めた自分に対して引け目を感じていたから

師範を取得することで自分を納得させたかった、、、

というのが一つと、

いつ日本に帰ることになっても良いように(仕事ができるように)

何かしらベースを作っておきたい、、、

という理由がありました。

 

やってきたことが形として表現できるのが資格取得だと思っていて

それまでは何者でもない私で、モヤモヤとした気持ちで過ごしてきたけど

クリアすることで、スッキリとした気持ちでスタート地点に立ちたかった。

 

当てはめるとしたら将来の自分への積み立て、

もしくは保険のようなものです。

 

 

そう答えた時に

 

「もっと深いところにある気がする...」

 

と。

 

 

そう言って、続けてくれました。

 

 

書道とカリグラフィーの両方の美しさがわかるというのは

私のひとつの特徴で、

自分が思う、感じる、

「美しさ」をもっともっと追及したらどうか?

 

というアドヴァイスでした。

 

ほとんどの人が共感する「美しい」と言われるお手本でも

もうちょっとこっちなんだけどなぁ、

と思う事ありませんか?って。

 

あります、あります。

 

.....その時ピン !!! ときたんですよね。

 

そこをもっと追及したらいいんだって。

 

自分だけのオリジナルを確立すること。

 

もちろん基礎は大切です。

 

それは大前提だけど、

オリジナルを育てていった方が

テストの平均を目指して

大勢がいる枠に入るよりも

よっぽど価値があることなのだと。

 

 

人間がやってきた仕事をロボットで賄えるような時代。

 

これからはもっともっとそうなる。

 

だからオリジナルが大事なんだと教えていただきました。

 

 

資格取得だけにとらわれ

落とし穴にはまる前に

本質に気付くことができて良かった。

 

 

何か起きることは、そこに何かがあるってこと。

 

 

だからこういう挫折をして、

そこから色々な葛藤があって

もっと深みがあって心のある文字が書けるようになりたい。

 

 

去年とは違う心構えで

これから書道と向き合っていけそうです。

 

 

オリジナルを追求しながら

基礎トレーニングを積み重ねること

 

 

環境のせいにしてはいけない、どこにいても私であって

書道への愛、情熱を注ぎ続けること。

 

むしろ今の私は、色々な方向から

柔軟に物事を捉えることができるという

この環境に感謝しなければならないと思いました。

 

 

東洋のエスプリ西洋のエッセンス

 

 

カリグラフィーも本当はもっと

一つの書体習得に時間をかけないといけないこともわかっています。

大事なのは書体の数でないことも承知です。

 

 

そういうことも伝えていくことも私の使命でもあるのかなと思っています。

 

 

試験への取り組み方も含め

自分のダメな部分が浮き彫りになって

忙しさで余裕がなくなっていた時期、

 

そういう時って何やっても上手くいかなくて。

 

それが自分だけならよいのだけど、

人に対して間違った対応をしてしまう時があって。

その後「あんなことを言ってしまった」

となるのですが、

もう遅いんですよね。

 

 

余裕を持たないといけないと反省する日々です。

 

だから決して急いだりしないで

時間をかけて、自分と向き合うこと

が大事なんだなって。

 

 

今回の記事で何が言いたかったのかと言うと、

私はいつも上手く行っているわけではないということです(*_*)

 

 

試験には落ちてしまったけど、

それでもまたsawaが「頑張る」って言うことで

誰かの励みになってくれたら

この記事を書いた甲斐があります。

 

 

 

 

ここまで記事を書いてスッキリしました。

 

 

大事なことは

始めること、

続けること、

自分を信じること。

 

自分が主人公、オリジナルの物語を築いていくこと。

 

それは絶対にまっすぐでシンプルな道じゃないんです。

 

躓いたとき、

最後に立ち上がるのは自分自身でですが、

そこまでの過程の中で

周りの人に支えられて、助けられているということを

絶対に忘れたらいけないと思うのです。

 

 

どんな結果でも、

挑戦して良かったと心から思っています。

 

 

 

 

 

 

また、一歩ずつ歩いていこう!

 

自分らしく。