絶対不可能と言われていた「無農薬リンゴ栽培」を実現した木村秋則さんの講演会に行ってきました。



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『奇跡のりんご』については、以前こちらにも書きました。


「奇跡のりんご」


「見えない根」


ジェジュンをリンゴの木にたとえるというすごいことをやってた過去の自分…。


でも、それはともかく、木村秋則さんの取り組みや考え方は本当に素晴らしいので、ぜひ読んでみてください~。


そして、もし興味を持たれたら、どうぞ本も読んでみてくださいね笑顔


今日の木村さんの講演会、とっても面白くて勉強になりました。



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写真撮っていいですよ~と言ってくださったので…。


木村さんのお話を聞きながらメモを取ってきたんですけど、速記状態のままだといずれ自分でも読めなくなってゴミになっちゃうので、ここにまとめておきます。


まったく自分のためだけのメモなので、どうぞスルーしてください。


もし、木村さんのお話に興味のある方がいらっしゃいましたら、ぜひ読んでみてくださいえ


勉強になりますキラキラ



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 青森の県立農業高校で、肥料や農薬を使わない栽培を教えたいと校長先生が議会に提出したけれど、実態のわからないものは高校生の教育にはふさわしくないのではないかと否定された。でも、校長先生の熱意に押されて肥料なしの栽培を行うことになった。その結果、去年1年間で7,000万円を超える売り上げとなった。日本の高校でこんな売り上げは初めてである。議会では一度否定されたが、あのときの無理が正しかった。他県の農業高校も肥料農薬なしの栽培を行いたいと言っている。そして、無農薬栽培を学んだ高校生が、今は父や母にそのやり方を教えている。

 かつてのガリレオ・ガリレイと同じである。今は農薬や肥料のない栽培は認められないかもしれないが、100年後、150年後に当たり前になってくれたらと思う。


 じゃがいも栽培について、日本は600年、ヨーロッパは800年の歴史を持っている。日本は、鎌倉時代のじゃがいもの作り方を今も守っている。しかし、自分は今までの常識と逆の植え方をしてみた。そのやり方は今までのやり方よりはるかにいい方法だった。しかし、日本では人に教えても誰も耳を貸さなかった。そこで、ドイツでこの話をしたら、ドイツで秋則さんのやり方が広まり「AKメソッド」と言われるようになった。


 今、日本の農産物のPRに政府が走っている。しかし、日本の農産物には「安心」が欠けている。それは「硝酸態窒素」への対策が十分でないことである。ヨーロッパでは「硝酸態窒素」の数値が3,000を超えると市場に出荷してはいけないことになっているが、この基準が日本にはない。日本では10,000を超す野菜がほとんどである。硝酸態窒素の数値の高い野菜を小さい子が食べると口から泡を吹いて死んでいく。ヨーロッパで2歳以下の子供たち、特に有機栽培の野菜を離乳食として食べた子供たちが死んでいった。その数は桁外れであり、口が青くなって死ぬため「ブルーベビー症候群」と言われた。日本ではこの症状で亡くなる子どもが少なかったため1社の新聞社しかこの事実を掲載していない。20年程前に、牛が愛知県で硝酸態窒素が原因で死んでいったときに掲載されたのみである。


 青森は、日本で1、2を争う死亡率の高い県である。日本では、1年間で約35万人が癌が原因で死亡し、約20万人が抗癌剤等の治療を受けている。以前は少なかった癌が毎年増えているのは、毎日の食事が大きな影響を与えているのではないかと思っている。青森は、農業県であり、海や山に恵まれている。このことを生かし、消費者が「売ってください」というものを売るべきである。都心から離れていて消費者の声が聞きづらいのであれば、こちらから聞きに行く。そんな気持ちでこれからやっていかなければいけない。「青森に来てください」と頭を下げるのではなく、「青森にぜひ行きたい」と皆が思う県に、県民が力を合わせてしていくのだ。食べ物や観光など、青森は世界に類を見ないものを作れると信じている。


 一生卒業のない学校とは「世間大学」である。この世を去ったときが「卒業」であり、誰もが学生である。だから、毎日毎日が勉強である。現在、日本全国に講演で行くが、その土地を生かした取り組みをするにはどうすればいいかという話を各地でしてきた。青森は、雪が多い。雪かきはしたくないし、冬に雪がないところに住みたいと誰もが思う。でも、雪が降るから土が守られる。作物ができる。春が楽しみである。リンゴのおかげで、さまざまなことを教えてもらったと思っている。


 大根は、右回りに太陽を向いて回っている。太陽を向きながら回転し、そして土の中に入っていく。だから、抜くときは左回りに回すと片手で抜ける。それなのに、大根農家がそれを知らない。力任せに引っ張っている。肥料を与えることではなく、大根が育ちやすい環境を与えることが仕事であり、それそこが大事なのである。 

 農業だけではなく、家庭でも、会社でも同じことが言える。人はそれぞれ皆違い、短所も長所も持っている。人の長所を生かす会社はどんどん発展していく。同じように、作物が育ちやすい土を作る農業は伸びる。


 農薬をやめると、確かに最初は虫がつく。しかし、それは無農薬だから虫だらけになるのではない。農薬を与えていた前の年の余分な栄養分が残っているからである。人が与えた肥料により、土に余分な栄養があるから虫が来る。虫に食われると作物は腐る。無農薬にして1年は虫が来るが、次の年は来なくなる。

 ときどき、山の土を持ってきて畑に使う人がいるが、山の土は肥えているわけではない。虫や生物が自分の生まれた場所の近くに卵を産むように、種も土を記憶しているのではないかと思っている。土を変えて1年目はほとんどうまく育たない。しかし、1年たって落ちた種が2年目に育つと、見事に成長する。作物の特徴を生かせば、肥料はほとんどいらない。


 石川県に朱鷺が1羽帰ってきた。朱鷺が帰ってきた田は、肥料農薬除草剤をやめて3年目の田である。農薬をやめたため、朱鷺にとって餌があるので、そのまま住み着くのではないかと思っている。


 今、地球の異常気象や人の健康などを考えると、農業の面から大きな変化を起こさなければいけない時だと思っている。かつて「ルネサンス」というものがあった。今、日本から、青森から「ルネサンス」を起こしていきたいと思う。農薬はこれまでの農業の中で大きな役割を果たしてきた。農家の重労働の負担を減らし、これまでの農業を支えてきた。しかし、これからは、これまでの常識にとらわれるのではなく、徐々に農薬肥料除草剤なしの農業を進めていきたいと思っている。人が作り出した現在の地球の異変を、人がいい方向に変えていかなければいけない。