まとめないで、さげないで。【日記】 | フーテンひぐらし

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永遠の放課後。文化祭前夜のテンションで生きたい。なかなか大人になれない。

 

芸人さんの訃報があった。思いがけなすぎてポカンとした。そして「またか」と思った。確かな実力と人気を持ち、仕事は引きも切らず順調にみえ、大病をしているわけでも最近元気がなかったわけでもない有名人がまた。
素直に「なんか続きすぎてこわいな」と思うし、かなしい。

ネットでもTVでも「我々には分からない悩みがあったのだろう」とか「ご冥福をお祈りします」とかの言葉があふれる。
そう言うしかないから言ってるのはよくわかってるけど、それでも「いや、もうまとめないでくれ」と思う。早いよ。人柄とか仕事ぶりとか、これまでのエピソードとか語らったりしないでくれ。昨日の今日だ。懐かしがるのはまだ早い。

原因を取り沙汰する必要もないけど、早々にご冥福を祈っておしまいにしてしまうのもまた違うと思うのだ。

私の近しい人が唐突に亡くなったら(そしてどうやら自らそれを選んだらしいと分かったら)、多分あがく。簡単に飲み込まない。納得がいかなければ調べるかもしれない。ついでに言うと、もし自分がそうなっても周りの人にそうしてほしいと思う。けっしてご冥福は祈らないでほしいし、灰になるまでは思い出を語り合ったりしないでほしい。
亡くなった有名人の方々の近しい人たちだっておんなじだと思う。

おんなじじゃないかもしれないけど。



話を変えよう。
今日思ったかなりどうでもいいけど切実なこと。

おしぼりを、さげないでください。

布のおしぼりではなく、カフェでよく出される平べったい、ウェットティッシュを折りたたんでビニール袋に入れたあれ。
私はよく食事をしてから食後の飲み物を出してくれるよう頼むのだけど、空いた皿を下げにくるときに食事の時に使ったおしぼりを一緒に下げられてしまうことがある。テーブルの上をいったんすべてキレイにしようという親切心だと思う。

でも意外とその後も使うんですよ、おしぼり。

気づいたらなんか手がべたついていたり、ガムシロップをうっかりこぼしてしまったりして「あ、拭きたい」と思って手を伸ばすとそこにない。さっき下げられてしまったんだなとその時初めて気づく。
しかたないからアイスコーヒーのグラスをつかんで、表面に浮かんだ水滴で手をぬぐったりする。
食べ終わった皿、テーブルにあるごみ、そういうのをすぐ下げてくれるのってとてもありがたい。でも私は店にいる間じゅうはおしぼりを横に置いておきたいので、それだけは下げないでください。