これまで -こどもの頃- | 湧flow

これまで -こどもの頃-

私が幼い頃、新聞に挟まれて届く広告は、今のようなカラーの両面刷りのものばかりではなく、単色や2色刷で、しかも片面印刷のものが混じっていました。
私は片面印刷で裏が白い紙をみつけては絵を描き、時には勢い余って壁にまで描いたらしく、幼い頃過ごした家の壁には、私の落書きの跡が残っていました。
楽しかったのかどうかは記憶にありません。ただ、ただ、描いていた…それだけを覚えています。

小学校にあがった年の3学期、私は生まれ故郷の愛媛県大洲市を離れ、長崎県の大村市というところに移り住み、高校2年の1学期までを大村で過ごしました。

中学時代は美術部がなかったため、近所の公民館の油絵教室に大人に混じって通い、高校にあがると美術部に入部して、美大受験を目指している先輩や同級生たちと一緒に部活に励みました。
長期の休みには、東京の美術予備校の夏期講習にも参加しましたが、芸大をめざす浪人生なども参加している中、自分の力のなさを思い知ったことが、その時の収穫だったと言えるかもしれません。

高校2年の夏休み、故郷の大洲に戻ることになり、図書室の隅で一人編入試験を受けて、2学期から大洲高校に通うことになりました。
当時、長崎にいた時ほどは美術系の進学を考える先輩や同級生がいない状況でしたが、美術の先生のご指導の元、現役で美術系進学の夢を果たすことができました。