苦痛と快楽、深さと軽さ | 湧flow

苦痛と快楽、深さと軽さ

いつか観ようと思いつつ機を逸していた「おくりびと」が
 飯田橋ギンレイ(会社が法人会員になっているのでタダ(^_^))にきたので
今週いろいろと詰まった予定にちょっと迷いつつ、一昨日観に行ってきました。

さすがアカデミー賞受賞作品、同僚の忠告通りハンカチがしっかりと活躍。
来て良かったぁ。
意外だったのが、泣いた箇所に相当するくらい笑えるシーンが多かったことでした。

そして昨日は、井上ひさしさん脚本の「きらめく星座」を天王洲アイルの銀河劇場で観劇。
井上作品らしく、歌あり笑いあり、
そして涙ありできっちりメッセージの伝わってくる舞台でした。

休憩時間、ロビーの書籍販売コーナーを冷やかしていると
「TASHINAMI 嗜み」という雑誌が目にとまります。
文芸春秋が昨年季刊で創刊したらしいのです。私はこれ知りませんでした。
最近、便利だからと本のほとんどをAmazonで買ってますが、
たまには書店でゆっくり棚を見て回らないと、
本や雑誌との出会いはないよなと反省です。

さて、この「TASHINAMI 嗜み」ですが、
飛行機に備えつけてあるPR誌を質・内容ともに豪華にして広告カットしたようで、なかなかの充実ぶり。
残り少ない休憩時間を気にしながら、
結局、並んでいた2008年の春と秋号両方ともを買ってしまいました。

パラパラとめくって、「おっ」と気になった箇所を二つ(いずれも要約)。
劇作家の山崎正和さんのインタビュー記事から
     あらゆる人間の満足は苦痛と背中合わせにある。
     (プラトンだそうです)
岸田秀さんと三浦雅士さんの対談から
     人間というのは本能が壊れた狂った動物であり
     芸術というのは人間の狂気の表れの一つの形である。

これ読んで、
深さや苦痛だけ、または快楽と軽さだけを用いた表現が
アートとしては人を動かさないなぁと思っていたこと(つまりは両極必要)と、
私が苦しいなぁと思いながらも絵を描くことを諦めきれないことの
わけが少しだけわかった気がしました。
そぉかぁ、狂ってるからかぁ・・・なるほど・・ね叫び