はじめに | 鏡の向こうは夢の中

はじめに

後輩たちへ

 

私は大江台高校演劇部における、現在ただ一人の1年生部員です。

いろいろと策は練っているのですが、どうも実行するまで至らないのです。


説明不足でした。


・・策というのは・・いかにして1年生部員を増やすかということなのです。


今は2年の先輩たちがいらっしゃるのでまあ良いのですが、

先々のことを考えると、やはりこのままではいけません。

来年、新たに新入生が入ってきてくれたとしても、いろんな問題が出てきます。

例えば、技術的なことをどうやって伝えていくのか・・などの・・。


それは、まあ先輩方に来ていただければ済むことかもしれません。

でも、先輩方には受験などが控えています。


だから、本当は今の1年生部員に増えてほしいのです。


それにしても、つくづく自分はLuckyだなあ・・と思います。

だって、最難関といわれたこの大江台高校の門をくぐることができたのだから・・。

入りたくても入れなかった人がいるんですものね・・。


ところで、入学して、いや本当は中学のときから

入る部は絶対「演劇」と決めていました。


中学のときは、課外の部活動で演劇はありませんでした。

文化祭のとき、必須クラブにできただけ・・。

それだって、希望はしたのに、入れませんでした。


だから、高校の演劇部ときたら、さぞかし部員が多いことだろう・・そう思っていました。

そして、例えば「ガラスの仮面」で読んだような

「お高い先輩ばかりじゃないかな~」と心配したりもしていました。


だから、あの日も一人部室の前で迷っていました。

それは、部活動紹介で、一通り見て回って解散になったときのこと・・。
私は、どうしてもその一歩が踏み出せずにいました。

すると、そばを同じ中学出身の友達が通りかかりました。

彼女は入学するが早いか、ブラスバンド部への入部を果たし

すでにその日も練習中で、その合間にそこを通りかかったのです。

「何してるの?」

「うん・・演劇部に入ろうかどうしようか・・・」

「こんなところでウジウジしてたってダメ。

ココ(大江台高校)じゃ通用せんよパンチ!

まさに彼女は私の背中を押してくれたのでした。


実際のところ、現実は私の想像を見事に裏切ってくれました。

本当に良い先輩ばかりだったのです、お世辞ではなく。

だから、部活だけが毎日の楽しみとなっている、今日この頃・・・。


さて、一応私は「役者」ということになっています。

ですが「メイク」「小道具」などなど、すべてにがんばるつもりです。

なんたって・・・ひとりしかいないんですからね・・・。

でも・・本音はやっぱり誰かに入ってほしい。


私は、このノート(自費ですぞ)に

日々の様子を書いてゆきたいと思います。

いわゆる「演劇日誌」

後々の後輩たちよ、ま、これを参考にしてね。

 

1982,7.30