ムササビの星空ノート -1450ページ目

ライトダウンには意味があるのか?

今年も夏至の頃にあわせて、各地でライトダウンが行われます。

今夜、私が経営するコンビニも本部からライトダウンに協力するように指導がされていました。


二酸化炭素の排出の抑制…本当に効果があるのかな?
火力発電などの発電過程で二酸化炭素が放出されるわけです。ライトダウンによる節電量を単純に逆算して、二酸化炭素の排出を抑制した…と言っているだけ。
実際には原発や水力発電には関係ないし、本当に二酸化炭素の排出が抑制されたわけではありません。

今回のライトダウンのために、お客様への理解を求めるポスターが本部より送られてきました…わざわざこんなポスターを作成して、どこが省エネ?

二時間やそこらの節電に実質的な意味があるとは思えません…ましてやそのためのポスターだなんて笑ってしまいます。

個人的にはライトダウンによって、星が見えるようになることは嬉しいのですが、そこに二酸化炭素の排出云々が添付されると、胡散臭いものを感じてしまいます。


私は一年中、ライトダウンしていたコンビニを知っています。
以前、私の店の向かいにあった競合店(コンビニ)は夜半頃になると、店名を示す電飾看板を消灯する店でした。
年中、ライトダウンを自主的?に実施していたのです。
…が、結局閉店。

もちろん、ライトダウンが直接の原因ではありません。
その店は2月中旬になっても、恵方巻きの予約を受付しているポスターを掲示しているような店でした(笑)。
従って、閉店の原因が他にあることは明らかです。

しかし、私の元に聞こえてきたのはお客様からの、ライトダウンへしている競合店への不満の声。
『店がわかりずらい…灯りがないと、入りにくい』等々。

お客様に迷惑をかけ、本業に支障をきたすような省エネなんて、実際に長続きするわけありません。

一時的なライトダウンイベントではなく、もっと本質的な取り組みが必要だと思います。
照明そのものを消費電力の少なく、余計な方向に光が拡散しないようなLEDタイプに変更するなどして、日常的に省エネに努めるべきでしょう。

…そういうわけで、私は今夜のライトダウンには協力しませんでした(笑)。

昼間流星群のどろどろした観測

梅雨時は星空の見えない夜が続きます。
でも、日本の頭上は雨でも昼間でも、流れ星は実は昼間も絶えず地上に降り注いでいます。

これまでの研究で、流星の正体は僅か数ミリ程度のダストであることがわかっています。
ごく小さい塵が地球の大気圏に突入して、明るく輝くのが、流れ星なのです。
流星はただ光るのではなく、流れた直後は大気圏内に一時的な痕跡を残すことが知られています。
実はこれを利用すると、雨の日でも昼間でも流星を捉えることが可能なのです。
流星によって大気中な発生したミニ電離層にFM放送の電波が反射します。すると、本来受信出来ない地域の放送が一瞬だけ受信出来るのです。
明るい部屋の中で、ザーザーと雑音の流れるラジオを聴きながら、一瞬だけ放送が繋がるのを待って、記録を残す…こんな地味な天体観測もあるのです。
今なら機械で自動的に観測するところですが、私が大学生だった頃は、地道にノイズを聴き続けていました。
ザーザーと雑音を聴きながら、記録をとる…まさに苦痛以外のなにものでもない天体観測でした。


長い前置きはここまで。
今から…年前の大学生の頃です。

私は天文サークルで、仲間と一緒に電波を利用した流星の観測をしていました。
6月は活発な昼間流星群が観測出来るのです。

ノイズの中から、一瞬だけの放送(エコー)を拾うので、観測中は音楽を聴いたりすることはもちろん、私語も控えなくてはいけません。
はっきり言って、1人で長時間はやれません。

ある夜、私は観測当番でサークル棟に泊まりこんでいました。

明け方、私と同期のAがやってきました。
酒に酔って荒れていました。
どうやら彼女に逃げられたようです。
観測中の私に散々愚痴をこぼしながら、夜明けと共に台風のように去っていきました。

ようやく、私の観測当番の時間が終わりに近づきました。
私の次はS先輩でした。
時間ギリギリにようやく現れた先輩…あれ?!…一緒に彼女を連れてきました。

さっきAと別れたばかりのK美でした。
なんだか2人はとっても楽しそう…。

「先輩、今、流星のエコーが聞こえましたよ!」
「えっ? 何か聞こえた?…でへへ」

ダメダコリャ…

せっかく皆で観測したデータを守るため、根がいい人な私は観測を続けるはめになりました。

…そういうわけで、昼間流星群の観測はなかなか大変だったのでした。

太陽活動に注目

近年、地球温暖化を防ぐため、地球規模で環境破壊を防ぐ活動が拡がっています。
経済活動が優先されてきた人類の歴史の中で、これは大変に素晴らしいことだと思います。

ただ、歴史上初めてのことなので、まだまだ不備が多いのも仕方がないことかもしれません。
地球温暖化の現象自体が複合的な要因で発生しているために、必ずしも『風が吹けば桶屋が儲かる』ようにはいかないからです。

ところで、この地球温暖化の大前提が今、揺れ動いていることをご存知でしょうか?

地球が現在の気温を維持していられる源は太陽にあります。
太陽からの熱を二酸化炭素などの温室効果ガスが宇宙空間に逃げないように保っているからです。
地球温暖化の大前提は太陽活動が活発なまま、二酸化炭素が増加に推移する事にあります。
だから二酸化炭素の増加を抑制すれば、地球温暖化は防げると考えているわけです。

かつて地球が今よりも寒冷な状態にあった時代があることはよく知られていますが、その最大の原因のひとつが太陽活動だと考えられています。

17世紀半ばから18世紀初めにかけて、地球が今よりも寒かった時代があります。
イギリスではテムズ川が完全に凍結し、川の上に居酒屋が作られたり、馬車が往来した記録があるなど、記録的な寒さに見舞われたことが知られています。
当時の日本は天明の大飢饉で、冷害のために多くの人が餓死しました。

1645年頃から1715年頃の間の当時の太陽活動については実に驚くべき記録が残っています。
太陽活動のバロメーターともいうべき、太陽黒点がほとんど捕らえていないのです。この現象は発見者にちなんで、『マウンダー極小期』と呼ばれています。

太陽は約11年の周期で規則的に活動が活発になったり、低調になったりを繰り返しています。
太陽黒点が多く観測される時は太陽の活動は活発で、太陽黒点が少ない時は太陽活動は低調になるのです。
この周期は人類が太陽活動を継続的に観測するようになってからは、ある一時期を除いて、規則的に繰り返されてきたのです。
その例外的な時期こそが、イギリスのテムズ川が凍結し、日本では天明の大飢饉が起きた時期と一致するのです。


現在の話に戻ります。
太陽活動は多くの天文学者の予想では2年前に極小を迎え、今は新たな活動期に入っているはずでした。
しかしながら、未だに太陽表面にはほとんど黒点が認められません。
まだまだ大騒ぎする段階ではありませんが、今後の太陽表面の活動を注目することは大切ではないでしょうか?


現在、多くの人々の善意から地球温暖化を防ぐ努力が盛んになってきました。

しかし本当に大切なのは二酸化炭素の発生を抑制することでしょうか?

私は違うと思います。

二酸化炭素は太陽からの熱量が少なくなると、逆に寒冷化を促進する働きがあるという研究もあります。

地球規模の営みはなかなか一筋縄ではいかないようです。

私たちが子孫に対して、本当に成すべき現実的なことは、二酸化炭素の削減ではなく、省エネ、省資源だと思います。
結果として二酸化炭素は削減されますが、それが目的ではありません。

代替エネルギーにはどれも解決すべき課題が多く、未だ決定的なものはありません。
私たちには行政やマスコミの情報を鵜呑みにせずに、自分たちの頭で考えながら、行動することが求められているのではないでしょうか?

省エネ、節約というと、当たり前過ぎるかもしれませんが、一番わかりやすいですよね。

目先の太陽活動や地球温暖化によっても、ブレない姿勢が私たちには必要だと思います。

来月、日本からは久しぶりの皆既日食が見られます。
本州からは部分日食になりますが、多くの人が太陽をご覧になるでしよう。

その時は黒点が太陽面に現れているでしょうか?
ぜひご自分の目で太陽活動を見てみて下さい。