本当にこれで教育改革ができるとでも・・・・

昨日、ネットのニュースをチェックしていたら興味深いニュースが目にとまった。


東京都足立区教育委員会が昨年4月に実施した学力テストで、区内西部にある区立小学校1校の校長と教員計6人が、テスト中に児童の答案用紙を見て回り、誤った解答を指で示すなどして正解を誘導する不正を行っていたことが16日、区教委の調査で分かった。

 同校はこの学力テストで、区内での成績が前年の44位から1位に急伸しており、区教委は「管理職からの何らかの指示があった」と判断。今後、第三者委員会を設け、学力テストのあり方などを検討する方針だ。

 今月7日、この小学校が障害のある児童らの成績を保護者の了解を得ないまま集計から除外するなどしていた問題が発覚。区教委が同校を含めた区内の全109小中学校を対象に調査し、この日、結果を発表した。


今(もうすぐ転覆するかも知れませんが・・・・)の政府が「教育改革」と称して推し進めているものの、弊害が早くも見えてきたような気がします。

結局は、外部からの学校の評価を気にする学校は確実に増えてきます。その外部が何を評価するかというと「学力」とは言葉がきれいですが、要するに子ども達に「点数」を取らせたかどうかということです。

点数を取らせた学校は「評価が高い」ということになるでしょう。反対に「点数の低い」学校は指導がなっていないという判断をすることだと思います。


政府が何をしようとしているかというと、こういう具合に学校間で「競争」をさせて、子ども達や保護者に自由に学校を選べるようにできるシステムを創ろうとしています。確かに「学力」???点数はその基準のひとつではあると思います。しかし、それがすべてなのでしょうか?私には疑問です。


子ども達を計る物差は一つでいいのでしょうか?勉強の得意な子ども、野球の得意な子ども、料理の得意な子ども、何も得意ではないけど、とっても優しい子ども・・・・・子どももいろいろいて良いと思うのです。

学力は子どもを測る一つの基準に過ぎません。もし、それがすべてなら点数をたくさん取った子どもが全員幸せにならなければならないはずなのですが、世界はそんなものではありませんよね。


実は、今日ある学校の「開かれた学校」という、学校の職員と、地域の人々、OBなどからなる会議に参加していました。そこで話題に出たのが「携帯電話」。子ども達には必要ない!学校に持ってこさせるべきではない!と批判的な意見が聞こえる中「持たせて教育することも必用なのではないか?」という話もありました。

持たしてはいけないという意見の理由は「出会い系サイト」や「有害サイト」へのアクセスはどうなるんだという指摘です。ここで、思うのですが、また学生(弱い立場)に責任を押し付けてしまっているとは思いませんか??


要するに問題は、そういう「悪行」で儲けている「大人たち」の存在を忘れていませんか?ということです。子ども達は興味からそういうサイトにアクセスする可能性はありますよね。でも、それを食い物にして運用しているのは誰でもない「大人」たちなのです。子どもが悪いわけではなく、そういう子どもをターゲットにしている大人が問題なわけです。


しかし、子どもにはそういう情報を使わないということを教えなければなりませんし、もっと自分を大切にする気持ち(自尊感情)を育まなければなりません。それも、私たち大人の仕事だと思います。


結局、大人たちは自分達の私利私欲、立場の優劣のことを優先的に考えていますので、こういう点数の不正、水増し、不利な条件の削除などは平気で行われるでしょう。先日も申し上げたように、全国の高等学校卒業者の就職内定率も全国に聞いてみると「通信制はのぞいている」だの「二つ内定した生徒は2回カウントしている」ということを平気で言いますし、国も容認しています。結局は「教育改革」とは言いながらも「数字合わせ」なのです。


不登校の生徒が減った・・・・・そういう子どもをカウントしていない。

いじめが減った・・・・・・・・・・・いじめと認識していない。


そういうことなのです。これで、本当に教育が再生できるのでしょうか?早くもほころびが見えてしまった改革ですが、当然予想されたことですが、そういう「不正」が出ることもおそらく予想されていたのではないでしょうか。


今朝の朝刊に「「子ども教育委員会」~私たちの悩みを聞いて下さい~と題して子ども達の意見が出ていました。


○ 僕への感心は成績だけですか?<5年生男子>

○ メールをしながら私の話しを聞かないで<5年生女子>

○ 忙しいのは分かるけど、もっとお話してください<3年生女子>

○ 大人も間違えることがあるから、ちゃんと謝ってください<4年生女子>

○ あまり心配されると、心配になります<3年生女子>

○ ぼくを他の子と比べるのをやめて下さい<5年生男子>

○ もうちょっと厳しくして欲しい。悪いことをしたら、きちっと怒って欲しい<5年生男子>

○ 小学生の算数くらい「無理」といわないで、ちゃんと教えてください<5年生女子>

○ 妹ばかりかまわないで、ぼくの話も聞いて<4年生男子>

○ 自分の思うように子どもに押し付けないでください<6年生男子>

○ できないと決め付けないで、僕を信じてください<5年生男子>


どうでしょう?子どもたちが望んでいるのは「点数」だけを取らせる学校だと思いますか?