民主党、菅政権の失墜は自業自得だが、自民党はこれを幸いと、調子に乗って2次補正や公債特例法(赤字国債の継続発行に不可欠)を人質にとって、いわゆる民主党4K公約を攻撃している:



児童手当、3歳未満のみ増額で民自公が合意
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110611-00000952-yom-pol



”民主、自民、公明3党は子ども手当廃止後の児童手当拡充案として、一律支給ではなく、3歳未満児に限定して支給額を上積みすることで基本合意した。

 3党の実務者協議では、3歳未満児は月1万3000円~1万5000円、3歳~中学生は一律月1万円とする方向で最終調整している。

 支給額の一部上積みを行うのは、2011年以降の所得税と12年6月以降の住民税の年少扶養控除の廃止で3歳未満児の世帯が減収となり、09年度以前の児童手当支給時よりも収入が減る「逆転現象」が起きるためだ。

 現行の子ども手当は、月額1万3000円で所得制限がない。自公両党は5月、この子ども手当を9月までで廃止し、「中学生以下に月1万円支給・所得制限導入」を柱とする児童手当拡充案でいったんは合意した。しかし、月1万円では、年収300万円~800万円の3歳未満児世帯で逆転現象が起きることが判明。減収幅は年収800万円世帯で12年度は月8625円で、年間10万円を超える。

 このため、公明党の坂口力元厚生労働相は3歳未満児に限り、月1万5000円を支給する案をまとめた。同案が実現すれば、年収500万円までの3歳未満児世帯は12年度まで収入増となり、年収800万円世帯の減収幅も緩和される。”



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しかし、これは国民が求める政策といえるだろうか?



何のかんの言いながら公明党のお蔭で少なくとも児童手当時代より改悪ということにはならなさそうだが、基本線として児童手当時代に逆戻り、ということになりそうだ。



では、この国の最大の問題である、少子高齢化に伴う人口減少という最重要課題に自民党・公明党はどう答えるのか?この点、結局、政権交代以降、何ら反省の見られない両党からヴィジョンは示されていないのだ。



震災復興を口実に、予算制約から子ども手当が最大の攻撃の対象となっている。しかし、当たり前のことながら、



成長なくして復興なし



である。成長戦略を欠いたままの(そういう意味では当に財務省主導の)無い袖は振れぬ、という縮小均衡路線で果たして復興が可能か?



確かに一時期よりは合計特殊出生率は改善傾向を示している。



昨年の出生率「1.39」再び上昇 団塊ジュニア増加傾向
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110602-00000087-san-soci


”平成22年の合計特殊出生率(1人の女性が生涯に出産する子供数の推計値)が、前年から0・02ポイント上昇し1・39となったことが1日、厚生労働省の人口動態統計(概数)で分かった。出生数も107万1306人と、前年比で1271人増加した。

 合計特殊出生率は17年に過去最低の1・26となった後に上昇に転じたが、20、21年は1・37と横ばいだった。厚労省は今回の上昇について、晩婚化が進んだ30代後半の団塊ジュニアを中心に出生数が増加したことや、第2子以上の出産が増えたためと分析している。 (以下略)”



だが、依然として1.39は危機的低水準である。子ども手当、という手段の是非は兎も角、ではこれに代わる少子高齢策として何を提示するのか?あるいは、少子高齢化・人口減少問題を諦めるとして、如何なる成長戦略を提示するのか?いずれも欠けたままの『なし崩し廃止』では、この国は再び浮かび上がることはない