例の大物吉本芸人引退事件いらい、暴力団対策はドンドン厳しくなっているように見受けられる。その業界の方々は益々生き難くなっているだろうが、いいことである。



そういう中で興味深い事案が出た:



非弁活動で組長ら逮捕、多重債務者紹介の疑い
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110912-00000446-yom-soci

”払い過ぎた借金の利息を取り戻す「過払い金返還請求訴訟」の依頼人を不正に弁護士に紹介し報酬を得た疑いが強まったとして、警視庁は12日、住吉会系暴力団組長・斉藤順平容疑者(52)と、その知人が代表を務める東京都港区の広告会社幹部ら7人を、弁護士法違反(非弁活動)容疑で逮捕した。

 紹介を受けた東京弁護士会所属の近藤利信弁護士(69)も、近く同法違反(非弁提携)容疑で書類送検する方針。多重債務者の債務整理を巡り、弁護士と依頼人の間を暴力団幹部が仲介していた構図が浮かんだ。

 捜査関係者によると、斉藤容疑者らは2009年4~10月、弁護士資格がないのに、過払い金返還請求訴訟の依頼人数十人を近藤弁護士に紹介し、報酬を得た疑い。斉藤容疑者は「違法なビジネスと思っていない」と否認しているという。”



まぁ恐らく実際には、この手の方々は債務者に対して威圧的な言動で無理やり報酬をせしめたんだろうなと想像されるので事案自体の問題ではないかもしれないのだが、よくよくこの記事だけ読んでみると、実は非常に難しい事案であることが分かる。



確かに裁判や裁判外での和解に関して(「法律行為」に絡む)’業として’相手方(債権者など)と折衝を行うなどの行為は弁護士のみに許されている行為である。



しかし、世の中、「金融コンサルタント」とか「財務コンサルタント」とかってのは別に資格を要しないので、こうした債務者の相談を受けて解決方法を一緒に考える、その上で、必要であれば法律事務に関する部分を弁護士に依頼する~その過程で”知り合いの優秀な”弁護士さんにお願いする、というのは、ある種日常茶飯事でもある。



例えば、私だって過去の職務経験を活かして明日から財務コンサルタントを開業してもいいのだ。[ご依頼はメールでねドキドキ]



実際に、過去、コンサルタントであった時にも、交渉”支援”と称して、債務者(企業なので、その経営者や財務担当者と、という意味だが)と銀行に出向いて、債務削減交渉だってやるのである。


大手銀行などであれば、相手も紳士的なので、別にこちらも同様に接すればいいのだが、銀行から債権を譲り受けたサービサー(簡単に言えば回収屋さんだ)の中には、???な人たちもいた。そういう方々にはそれなりに接する必要がある。



まぁ、そういう訳で、一概に債務者を手伝って、その過程で弁護士を紹介したからといって違法とされるのも無理な話だ。ここら辺は節度をもって臨んでもらいたい。なお、いちおう、公式的な非弁提携などに関する説明は以下をご参照。




☆非弁提携等に関する日弁連の説明

http://www.nichibenren.or.jp/activity/improvement/gyosai.html