諸般の事情で実家の長野に滞在している。今ではインターネットのお蔭で住んでいなくともローカルの情報を得ることは容易だし、必要であれば以前やったように住んでいない地域の課題(例えば名古屋の減税問題)を電話して調べることも出来るが、やはり地元には地元の情報がある。


という訳で、以前、取り上げた『道路バンプの積極的設置』に関して、松本市の社会実験を知ることが出来たので、書いておく。


松本市の市街地整備課が行った社会実験とその結果が紹介されている:



「平成23年度 中町通り交通社会実験」

http://www.city.matsumoto.nagano.jp/buka/kensetubu/matizukuri/omoiyari/nakamachijikkenkekka/files/nakamachijikkenkekka.pdf



ちなみにローカルのテレビニュースの取り上げ方、としては、これが”一定の効果はあったが、騒音・振動が’気になった・多少気になった’が21%だったので結局、ハンプの恒常的設置は見送られた”という形になっていた。



報道の纏め方の問題、かもしれないが、結論的には恐らく松本市の結論なのだろうから、ここではその問題は捨象する。問題は、この社会実験の:



実験のやり方と、結果の取り纏め方



にある。



この報告書には実験を行った通りのハンプの設置状況について、写真も掲載されているが、明らかに車道と歩道が分離整備されており、歩道も一定の幅が採られている。本来、ハンプの主な機能として道路全体の幅などの問題から車道・歩道の分離が困難で、よくてせいぜい「線が引かれているだけ」のような場合に、通過車両の速度を減速させること、にあるわけだから、この実験結果をハンプ設置問題全体に必要以上に拡大利用してはならないと思われる。



また、結果の纏め方についても、統計の一般的な利用方法としては、確かに「気になる」と「多少気になる」はまとめてもいいかもしれないが、ここでは設置しないでほしいと思うだけの「気になる」が問題なのであって、「多少気になる」が恒常的設置を止める理由に区分すべきか?というと疑問が残る。



もちろん、その後の設問で今後もハンプを設置すべきか?との問いに対して、41%(地元住民に限っていえば50%)が設置しなくてよい、と回答しているので、結論に大した影響は無いかもしれないが、先に述べた如く、そもそものハンプ設置場所の問題(必要性が乏しい)なのかもしれない。



松本市はもちろん、国・国土交通省やその他の自治体がこうした実験結果を過大に評価することは無いと思うが(期待するが)、この結果は他のもっと細い道路、特に通学路に指定されている道路や抜け道利用されてしまっている道路などに対するバンプの必要性に影響をされてはならないと考える。



なお、個人的にはバンプ(bump)の方がなじみがあるが、ハンプ(hump)という呼び名もあるようなので、ここでは区別して使わない。