詳細未確認だが、例の群馬の事故で、旅行会社の社長が記者会見で自社の責任を否定したらしい。会見の一部しか放送されてないだろうし、さらにそれをチラ見した程度なので、断定的な表現は避けるが、仮に事実だとしたら、無責任と言わざるを得ない。



本件事故についても、旅行会社の責任については明らかだろう:




ハーヴェスト・ツアーHPより、【募集型企画旅行契約(抄)】


http://www.harvest-tour.com/yakkan1.html


第23条 当社は、旅行者の安全かつ円滑な旅行の実施を確保することに努力し、旅行者に対し次に掲げる業務を行います。 (後略)


第27条第1項 当社は、募集型企画旅行契約の履行に当たって、当社又は当社が第四条の規定に基づいて手配を代行させた者(以下「手配代行者」といいます。)が故意又は過失により旅行者に損害を与えたときは、その損害を賠償する責に任じます。ただし、損害発生の翌日から起算して二年以内に当社に対して通知があったときに限ります。


第28条第1項 当社は、前条第一項の規定に基づく当社の責任が生ずるか否かを問わず、別紙特別補償規程で定めるところにより、旅行者が募集型企画旅行参加中にその生命、身体又は手荷物の上に被った一定の損害について、あらかじめ定める額の補償金及び見舞金を支払います。



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上記は恐らく本件バスツアーにも適用される旅行規定・契約だと思われる。特別なものではなく、旅行会社が一般に用いるひな形に見受けられる。



第23条の読み方は少し疑義があるが(飽くまで、「次に掲げる業務」の責任だけ、とも解されかねない)、まぁ通常に解釈すれば、本件事故における「安全確保義務」が適切に果たされていたとは言い難い。



ただし、問題なのは27条・28条だ。



27条は、「当社又は当社が第4条…手配代行者」の責任に限定している。厳密には今回の事故でいえば、バスを運行させたバス会社は手配代行者とは解されない。


この場合でも(当社・手配代行者の故意過失責任が認められない場合でも)、最低限、28条の補償を受けることは出来るが(恐らく、包括保険に加入していて、その保険金額が上限ということだろう)、その額は死亡・高度障害に対しては小さ過ぎる。



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この契約書・約款のひな形は国交省主導であるので、今回の事故を受けて、約款そのものを見直す必要があると考えられる。