大津のイジメ自殺事件の波紋が続いている。


結果的に人一人の命が落とされ、その原因として、様々な悪質なイジメの実態が明らかになるにつれ、それは当たり前といえば、当たり前、かもしれない。


しかし、残念なお知らせだが、騒いだところでイジメは無くならない。



酷な話だが、大人になって、社会人になれば、直ぐに分かることだが、現実の大人社会・実社会のイジメは学校生活のそれの比ではない。学校生活は一日のうちのせいぜい6~8時間程度、しかも3年とか長くても6年で「卒業」があり、環境は変わる。また、イジメの程度は例え悪質でも逃げようと思えば逃げられるし、必ずしも生命に直結するものではない。



しかし、現実の社会におけるイジメは、例えば会社であれば、勤務時間は最低でも8時間、酷い場合は12時間前後にまで及ぶ。また、人事ローテーションを組んでいる会社なら兎も角、「卒業」はない。そして、イジメから回避しようとすれば、それは最終的には退職しかなく、無給を意味する。当に生活に直結し、生命に直結する。



可哀そうだが、子供たちには、来る社会人生活を見据えて、ある程度「イジメに対処する処世術」を学んでもらうしかない。



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行政や学校、警察、といったところに非難が集中するが、傍目に見ていて、不思議でならないのは、学校の保護者説明会で憤りを学校・教師にぶつける「保護者の姿」である。



子ども達へのアンケートで多くの目撃談や聞いた話、が寄せられている。それらの相当数は保護者側の耳にも入っていた筈である。酷な言い方だが、あそこに集まった保護者達は、多かれ少なかれ、ある程度見聞きしていたが、何の対応も採らなかった、いわば「共犯者」たちである。自分たちの責任を棚に上げて、教師たちに一方的に責めを負わそうとする姿は、それ自体が一種のイジメ、である。