長江商学院 で行われた早稲田大学ビジネススクール遠藤功教授
「グローバル経営と現場力」のセミナーに行ってきました。

日本企業が新たな成長曲線を描くにはどうすればよいか
というおはなし。しかも市場をグローバルに捉えた場合。

大きくは、コモデティではなくプレミアムを目指しなさい。そのためには、新たな製品・サービスの開発が必要で、30代らの若手に大きく仕事を任せ、50代以降はサポートに回ること。世代交代が必要。そんでもって、日本の強みである現場力を再起させ、現場力をグローバルで展開しようという概要。(ざっくり言うとね)

---

脱コモデティ化には大きく同意。これは上海にきて強く感じます。

BOP(base of the pyramid)※が注目され低所得者層を抑えろ―と声高に
叫ばれていますが、正直、無理だと思う。

中国、インドの会社は巨大化しており※※、規模の経済は彼らのほうが利くので、
価格勝負で真っ向から戦うのは負け戦。

彼らには歴史がない。価格勝負の戦いは出来るけど、商品にブランドや
ストーリーを付与したり、きめ細やかなサービスを提供する戦い方は苦手。
てか、やったことないから出来ないんだよね。ここが、日本企業の強いところ。
だから、低所得者層を狙うよりも、富裕層・中間層向けのシナリオを
描くべきと感じます。ストーリーを付与しブランドを作り高い付加価値で売っていく。
それが受け入れられる層を狙う。

それにさ。中国語のせんせーの話を聞いて驚いたこと。

「上海の火鍋屋で高いけど良いサービスの人気店がある」
「すごく美味しいわけではないがサービスが良くて大好きだ」

彼女、おそらく、月5ooo元ぐらいの収入。収入はさほど大きくなくとも、
上質なサービスを受けたくて、やや高めの店に行く。上海で暮らす人も
サービス志向になってる!しかも中間層の所得水準の人達でさえも!
・・もうそんな水準なのかと驚いた。

あと2年ぐらいで、上海に暮らす中国人たちは、良質なサービスの有無を
選択の基準に含めることになるだろうと思う。

インド、アフリカにおいても。日本企業は、低所得者を対象にするのではなく、
富裕層等を対象とした、ハイエンドな商品サービスの展開を目指すべきと思っています。

もういいじゃん。会社の規模拡大とかマーケットシェアとか規模追求じゃなくて。
利益が出ればいいじゃん。強みを活かして効率よく稼ぐほうが楽じゃない?

そんなことを感じながらセミナーを受けておりましたニコニコ音譜

<ご参考>

※BOP
開発途上地域にいる低所得者層(40億程度)をさす。所得別人口構成をグラフ化したとき、
下から低所得者層(BOP層)、中間層、富裕層を積み上げたような三角形ができあがるため、
ピラミッドという表現が用いられる。

※※中国、インドの会社は巨大化
中国最大の通信会社、中国移動通信 (China mobile)の2010年の契約者は5億人(!)
世界最大規模の移動体通信事業者となった。中国の携帯電話の普及率はさらに伸びると予想される。