はぁ~・・・・・朝から溜息しかでてこない


なんで、こんな大事な日に熱なんかだしちゃったんだろう


2~3日前から喉が痛いなぁ~とは思ってたんだけど


油断しちゃったな・・・・


せっかくの入江くんの誕生日だったのに


はりきってお祝いするために今日の休暇をもぎ取ったのに


ケーキだって焼くつもりだったのに・・・・・今回は何回も練習して


なんとか、いけるかな?ってレベルにまでいったのに


よりにもよって今日・・・寝込む事になるなんて


そんな風に考えてるうちに薬が効いてきたのか


瞼は重くなり、いつの間にか寝てしまっていた



すっかり辺りが暗くなった頃


人の気配に目を覚ますと


入江くんが私を心配そうに覗き込んでいた


「い・・・り・・え・・くん・・・」


これが自分の声なのか?とビックリするくらい


ガラガラな声に情けなくなって思わず涙がにじむ


そんな私に入江くんは優しく声をかける


「大丈夫か?悪い起こしたな・・・」


ううん・・・そう言いたくて


でもガラガラな声を聞かせたくなくて


ゆっくりと首を振る


そんな私を体調が悪いせいで泣いてると勘違いしたらしく


「そんなに苦しいのか?ちょっと診察するから

 胸元あけるぞ」


パジャマのボタンに手をかける入江くんの腕を掴み


違う・・と再び首を振る


「どうした?声がでないのか?」


心配そうな入江くん・・・違うの・・・そんな顔をさせたくないのに


「ぢが・・う・・・ごんな声・・聞かせ・・たくなくて

 だって・・・せっかくの・・・入江く・・・んの

 誕生日・・なのに・・・」


私の言葉に入江くんは優しく笑うと


「馬鹿だな・・・そんな事

 気にしてたのか?どんな声だっていいよ

 琴子が俺を呼んでくれるだけで・・・

 だから・・・俺を呼んでくれ」


「だけど・・・・せっかくの・・・誕生日な・・のに・・

 プレゼントも用意でぎ・・なくて・・・」


「何にも要らない

 だから言ってくれないか?お前の声で

 入江くん、誕生日おめでとう・・って

 それが最高のプレゼントだから」


な、言ってくれ・・・・そう言いながら


唇で私の涙を吸い取ってくれた


これじゃ、どっちがプレゼントもらったのか


わからないよ・・・入江くん


ジワジワと心のそこから温かいモノがこみ上げてくる


「入江く・・ん

 お誕生日・・・おめでとう・・・

 大好きだよ」


                                                   END






Happy Birthday!My heart is filled with the love I feel for you

誕生日おめでとう!私の心はあなたへの思いでいっぱいです



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