「履修履歴」の活用が広がっている

世の中には、本気で以下のように考えている人がいます。

「大学では、勉強より学業外でどんな活動をしていたのか、そこでどんな経験をしたのかが重要だ」「授業にちゃんと出席している学生は、主体的に行動しない受け身な学生だ」「だから学業の場面でどんなことを考えて、どのような行動をしていたのかを知っても採用の参考にはならない」

中には「俺は大学では勉強はしていない」「できるだけ授業に出ないで、どうやったら卒業できるかを考えた」ということを自慢に思っている方もいます。

もし皆さんがこのように考えているなら、大変失礼ですが「時代遅れです」と言わざるをえません。なぜなら、新卒の採用選考でデータ化された成績表「履修履歴データ」を利用する企業がいま、急速に増えてきているからです。

2018年卒の就活では、私が運営している「大学成績センター」の履修履歴データを活用した企業は210社に上ります。2015年度には30社でしたから、3年間で実に7倍に増えました。

210社というと大した数ではないと思うかもしれませんが、この210社は多くの学生が受験する大手企業が中心です。そのため、2018卒の就活生だけで12万人強の学生が登録しました。これは全大卒就活生の約3分の1にあたります。

就活生の3分の1が、企業に履修履歴を見られているのです。「就活に成績は関係ない」が時代遅れなのは、この数字を見ても明らかでしょう。

なぜ企業は「履修履歴」を使うようになったのか

理由1:出席しないと単位が取りづらくなった

履修履歴の活用が広がっている背景はいくつかありますが、1つにはひと昔前に比べて、大学生活が大きく変化していることがあります。

今年就活をした学生への調査では、「授業にはどの程度、出席していますか?」という質問に対して「8割以上出席している」との回答が73%でした。

これをある企業の人事担当に伝えたところ「最近の学生はまじめだね」と笑っていましたが、事実は違います。もっとも大きな理由は、出席点の導入によって出席しないと単位が取りにくくなったからです。

つまりまじめになったのではなく、昔は授業に出なくても単位を取ることができた環境が、今は授業に出席しないと単位が取りにくくなった。要するに環境が変わったのです。

現在では多くの学生が授業に時間を割いています。そのため、授業の選択の仕方にも学生の個性が表れます。どの授業に興味を持ち、どの授業に力を入れ、どの授業は出席しないという判断には、個人の価値観が反映されるのです。

理由2:学生を多様な視点で見極められる

2つめの理由は、多様な視点で学生を見極められるからです。

面接において成績表(履修履歴)を活用するというと、面接官が成績表を眺めて「成績がいいね(悪いね)」「相当単位が残ってるけど大丈夫?」というように、成績や単位数を見るというのが一般的なイメージでした。この誤解が履修履歴の活用を阻害し、エントリーシートを中心にする面接が広がりました。

エントリーシート中心の面接の問題点は、エピソードがない特徴は語られず、評価もされないことにあります。学生は、エピソードがないと「自分の良さが伝えられない」と考え、エピソードを探します。面接官も「エピソードを聞き出さないと」と思いこんでいますので、エピソードを語れない学生は評価しません。

しかし、その人の特徴や「良いところ」にはかならずエピソードがあると考えるのは、ずいぶん乱暴な話ではないでしょうか。実際、「履修履歴」を見ながら以下のような質問をする場面を考えてみましょう。

「力を入れた授業はどれですか? なぜ力入れたのかを教えてください」

この質問に対して、ある学生は「自分が不得意なので真剣にならざるをえなかった授業」を挙げるかもしれません。あるいは「好きだから力を入れた授業」を選ぶ応募者もいるでしょう。または「自分が頑張らないと他人に迷惑をかける授業」を挙げる人もいるはずです。

これらの答えからは、それぞれの学生が「どのようなときに真剣になるのか」が凝縮されています。

どのようなときに真剣になる学生がほしいか、どのようなタイプが向いているかは、企業によって異なるでしょう。大切なのは、この質問によってエピソード面接では語られない学生の資質を見極めることができることです。結果として、学生と企業の「ミスマッチ」を防ぐことができるのです。

学生と企業の「化かし合い」を排除できる

理由3:ファクトベースの面接ができる

エピソード面接では、語られたエピソードが事実なのか、それとも「盛っている」のかを判断するのは簡単ではありません。経験を積んだ面接官ならある程度の確度で判断できますが、それも100%ではありません。

一方、履修履歴は、教官がつける客観的な事実です。ウソが混じる余地はありません

たとえば、これからの事業拡大のため、統計学の資質をもった学生がほしいとしましょう。履修履歴を見れば、統計学の単位を取ったかどうか、その成績がどうだったかがわかります。これは非常に大切な「客観的事実」です。

ただ、仮に成績が「A」であったとしても、その授業の成績評価が厳正に行われているのか、だれにでも良い成績をつけているのかがわからない、と思われるのはないでしょうか。

ここに、同じ学年の12万人もの成績表をデータ化した「履修履歴」データの強みがあります。12万人ともなると、複数の学生が同じ授業のデータを登録するため、「A」を取った学生が何%いるかが可視化されます。つまり、その授業の「難易度」がわかるのです。

実際、2018年卒の学生の場合、10人以上の学生が登録した授業数は約14万3800。そのうち、4段階換算で最高評価が30%以下、かつ最低評価が10%以上の授業の比率は約32%でした。

理由4:課外活動の評価が明確になる

当たり前と思われるかもしれませんが、大学・学部によって、卒業の難しさや成績評価の厳しさは大きく違います。ですが、実際の厳しさは、外部からはなかなか判断がつきません。しかし、データ化された「履修履歴」を見れば、大学・学部ごとの評価の厳しさがわかります

簡単に単位を取得できる授業が多い大学であれば、卒業が楽なので多くの時間を自分のしたい課外活動に使うことができます。多くの授業で厳正に評価している大学では、多くの時間を学業に使う必要があります。

そのため、エピソード面接で語られる「課外活動」が同程度であっても、卒業が簡単な大学の学生と難しい大学の学生では、後者のほうがより「頑張った」といえます。課外活動における本人の意思・意欲、行動レベルも、「履修履歴」を活用することで、よりわかりやすくなるのです。

 

コミュニュケーションアプリの「LINE」が、「送信取り消し機能」の提供を開始しました。24時間以内であれば、誤送信したメッセージを取り消せます。

 LINEでは、リアルで即時性が高い日常のカジュアルなコミュニケーションを提供したいという思いから、これまで「送信取消」機能は取り入れていませんでした。しかし、ユーザビリティの向上およびコミュニケーションの選択肢を拡大させるための機能拡充の一環として、今回の「送信取り消し機能」が実装されました。

 メッセージの取り消しが使用できるのは、最新バージョンのみ。誤送信したメッセージを長押しし、「送信取消」のメニューを選択すると、送信者と送信相手の端末両方から対象メッセージを取り消すことができます。取り消し後は、取り消したという内容が送信者と送信相手のトークルーム上に表示されます。

 取り消すことができるメッセージは、24時間以内に送信したテキストとスタンプ、画像、動画、ボイスメッセージ、URL、LINE MUSIC、連絡先、位置情報、ファイル、通話履歴で、既読・未読両方のメッセージが対象。グループトークや複数人トークにも対応し、スマートフォン版、デスクトップ版とも利用できます。なお、スマートフォンに届く通知メッセージは取り消すことができません。

 今回の「送信取り消し機能」実装について、LINEに話を聞いてみました。

―― 「送信取り消し機能」を今まで実装していなかった理由について、もう少し詳しくお願いします。

LINE広報:「送信取消」機能を導入すべきかという議論は、これまでも協議してきました。その上で、「送信取消」機能はコミュニケーション・メッセンジャーの根幹に関わる機能だと認識しているからこそ、実装するには至っておりませんでした。

 しかし今年、LINEのトークルームのアップデートに力を入れる中、ユーザーの皆さまが必要としている機能の検討を重ね、「送信取消」機能を提供開始する運びとなりました。

 「送信取消」機能を協議する際、LINE本来のコミュニケーションが崩壊してしまわないように、LINEのトークに対する信頼性が損なわれてしまわないようにという点を最大限注意して機能の実装を進めてきました。その上で、時間制限を設け、メッセージが消されたこと自体は履歴が残り、受信者側も取り消されたことが分かるような仕様を定義してあります。

―― 24時間という期間はどのような理由によるものでしょうか。

LINE広報:今回の「送信取消」機能は、LINEで誤って送ってはならないメッセージを送った方が誤送信を回避する、または、誤送信による心理的ストレスを軽減するための機能です。その際、誤送信であれば、時間制限を数分にしても良いのではという協議もありましたが、誤送信にすぐに気付く人と相手から誤送信を指摘されて気付く人が両方いることから24時間としました。

 誤送信を相手が認識してしまってもメッセージを取り消したい、という送信者の立場に立って検討した時間になります。

―― 実際に社内で、人間関係や仕事上のトラブルに発展することはありましたか。

LINE広報:LINEの社員は、LINEを使って仕事をすることが多々ありますが、上司など多数の者がいるグループで仕事のやりとりをしているなか、突如誤ってプライベートのLINEを送ってしまった、という社員は複数います。結果、仕事上で培ってきた自身のキャラクター形成に影響があったと聞いています。社員の中でも「送信取消」機能を歓迎する者は多いのでは、と予測します。

―― 公式アカウントでも削除機能は使えるのでしょうか

LINE広報:公式アカウントは「送信取消」機能の対象ではありません。今後、導入するかについても未定です。

 なお、最も面白い「LINE誤爆」を決定する「ブラックフライデーキャンペーン」も、この「送信取り消し機能」のリリースに合わせて最優秀賞が発表されています。

日本の私立大学の中でも超難関校で、歴史と伝統があり、さらに永遠のライバル的な2校と言えば早稲田大学と慶応大学ですよね。今回はそんな早慶両大学について、正直どちらが好きか、社会人男女を対象に調査しました。どのような結果になるのでしょうか?■早稲田大学と慶応大学、どちらが好きですか?

早稲田大学  167人(42.8%)

慶應大学   223人(57.2%)

まずは結果発表。慶應大学のほうが好きと答えた人が6割弱と、早稲田大学よりも多少多くの票を集めました。けっこう差が付いたのかあまり差がないのか、微妙な結果のように思いますが、みなさんはどう感じましたか? では、続いてそれぞれの理由についても聞いているのでご紹介しましょう。

■慶應大学の方が好きな理由を教えてください

●勉強以外もすごい

・遊びも勉強もできるイメージなので(男性/32歳/小売店)

・勉強だけでなくオシャレにも気を遣っていそうだから(女性/32歳/金融・証券)

・頭もいいしカッコいいイメージがあるので(男性/32歳/団体・公益法人・官公庁)

やっぱり慶應っていうと頭がいい上に「オシャレ」「カッコいい」という言葉が加わるイメージですよね。そんな点で人気があるのかもしれません。

●有名人が多い

・有名人が多いイメージ(男性/29歳/食品・飲料)

・桜井翔君いるから(女性/39歳/医療・福祉)

・慶応ボーイの著名人が多い(男性/29歳/不動産)

お札でもお世話になっている、開設者の福沢諭吉をはじめ、石原裕次郎、桜井翔、トリンドル玲奈さんなど、今でも多くの著名人を輩出しているということで、とてもいいイメージがありますよね。

●上品

・慶應のほうが上品に感じるから(男性/23歳/警備・メンテナンス)

・品がある(男性/25歳/団体・公益法人・官公庁)

・知的で品位があり、バランスがいいと思う(男性/50歳/団体・公益法人・官公庁)

品があるというコメントも多く寄せられています。上品なイメージって慶応大学にはつきもののようです。

●憧れる

・知的で憧れるので(女性/23歳/団体・公益法人・官公庁)

・慶応ボーイと呼ばれてみたいので(男性/34歳/金融・証券)

・慶応ボーイ…この名に憧れあり(男性/50歳以上/金融・証券)

慶應ボーイという言葉に憧れている人、年配の方から若い人まで、幅広くいらっしゃいますよね。今回も多くの声が寄せられていました。では、一方で早稲田大学の方が好きという人はどのような理由でそう思っているのでしょうか? 早稲田大学を選んだ人の意見もご紹介しましょう。

■早稲田大学が好きな理由を教えてください

●親しみやすい

・気さくで親しみやすいイメージだから(女性/26歳/建設・土木)

・なじみやすい(男性/48歳/電機)

・親しみやすい学生が多そうなので共感できる(男性/28歳/商社・卸)

まずもっとも多くの意見を集めたのが早稲田大学の「親しみやすさ」でした。慶應の「憧れ」感とは正反対のようですね。

●庶民派なので

・庶民派っぽくて身近に感じる(女性/34歳/商社・卸)

・庶民的な学校だから(男性/50歳以上/ソフトウェア)

・慶應のお坊ちゃんにはない印象がある(女性/30歳/生保・損保)

慶應大学の「お金持ち」イメージとは真逆の「庶民派」イメージに共感している人からの票も多く集まっております。本当に正反対なのですね。

●バンカラな雰囲気が良い

・バンカラの気風が好きだから(女性/26歳/学校・教育関連)

・ハングリー精神がありそうだから(女性/34歳/その他)

・なんかガッツがありそう(男性/35歳/団体・公益法人・官公庁)

「早稲田=バンカラ」という図式をイメージしている方もとても多いようです。バンカラ学生って少なくなっていると思いますが、早稲田にはまだまだたくさんいそうですからね。

●さわやか

・ハンカチ王子のイメージがまだある(男性/50歳以上/情報・IT)

・早稲田のほうが爽やかそう(男性/30歳/ホテル・旅行・アミューズメント)

・スポーツのさわやかな印象があるので(男性/33歳/農林・水産)

スポーツが強いイメージのある早稲田大学には、ハンカチ王子をはじめとして、多くのさわやか選手がいますからね。

いかがでしたか? それぞれの理由を聞いていると、早慶それぞれ本当に真逆の校風が世の中に浸透しているように感じました。みなさんが持っている両校へのイメージも同じようなものでしたでしょうか?