嵐は2020年で活動を休止します。

「ポスト嵐の国民的アイドル」となるのは、どのグループなのでしょうか。

最終回は、その点を展望していきたいと思います。

 

 

 

 

 

■国民的アイドルの2指標■

基準① CDセールス(1991~2001年100万枚以上/2002年~60万枚以上)

基準② ドラマ視聴率主演級ドラマ視聴率が25%以上)

 

※データは、年代流行の「アーティスト別 CDシングル売上枚数一覧」「ドラマ視聴率ランキング」、およびビデオリサーチの「タイムシフト視聴率」等から参照しました。

 

 

 

国民的アイドル年表(完全版)

1991年

1992年

1993年 

1994年 

1995年 キンキ金田一少年1キンキ家なき子2

1996年 SMAPロンバケSMAP協奏曲キンキ金田一少年2

1997年 SMAPラブジェネキンキ硝子の少年キンキ愛されるより愛したい

1998年 SMAP夜空ノムコウSMAP眠れる森キンキ全部抱きしめて

1999年 キンキフラワー滝沢魔女の条件

2000年 SMAPらいおんハートSMAPビューティフルライフSMAP伝説の教師

2001年 SMAPHERO

2002年 SMAP空から降る一億の星

2003年 SMAP世界で一つだけの花SMAPGOOD LUCK

2004年 SMAPプライドSMAP僕と彼女SMAP砂の器

2005年 SMAPエンジン亀梨山下青春アミーゴ

2006年 SMAP西遊記KAT-TUNReal Face

2007年 SMAP華麗なる一族花男2

2008年 truthSMAPCHANGE

2009年 Believe明日の記憶

2010年 トラブルメMonsterラブレ果てない空

2011年 Lotus迷宮ラブソング

2012年 ワイルド アット ハートFace Down

2013年 Breathless

2014年 GUTSSMAPHERO2

2015年 

2016年 I seek

2017年 Doors山下コードブルー3

2018年 99.9Ⅱブラックペアンキンプリシンデレラガール

2019年 BRAVE

2020年 スノストImitationRain/D.D

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

最有力キンプリの課題

 

 

現在のところ、「ポスト嵐の国民的アイドル」の資格があるのは、基準①をクリアしているKing & Prince、Snow Man、SixTONESの3グループということになります。

 

スノストに関してはデビューしたばかりで判断材料が乏しいですが、キンプリはデビュー後の活躍を見ても一過性の人気とはいえず、その可能性を持つ有力グループです。

JUMPファンから客観的に見ても(笑)

 

これまで見てきた国民的アイドルの法則を踏まえれば、もう1つの条件である基準②を新星3グループのどこが先に達成するかが、次の焦点になります。

 

ここでも平野紫耀というスターを抱えるキンプリが優位な立場にあります。

事務所としては、2018年のデビューの際に、一気に①②をクリアする狙いだったのでしょうが、平野主演「花のち晴れ」(平均8.3%)は期待通りの結果をおさめることはできませんでした。

 

キンプリの課題は、基準②超えとまではいかなくとも、まずは『ブレイク前夜ドラマ』を生み出すことです。

その意味で、2年ぶりの平野君の主演ドラマ「未満警察」は、中島健人君とW主演という万全の態勢で臨んでいるので、数字がどこまで伸びるか注目されるところです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Hey!Say!JUMPはダークホース

 

 

そして、我らが愛するHey!Say!JUMPについてです。

今回、国民的アイドルの歴史を通観した目的の1つは、「JUMPはどうしたら国民的アイドルになれるんだろう」という問いに役立つかもしれないと思ったからでした。

 

結論から言うと、13年近いキャリアで基準①②を一度も超えたことがないJUMPの国民的アイドルへの道は、「険しい」と判定せざるを得ませんでした。

 

JUMPは2015年から2016年にかけてブレイクのチャンスを掴みかけました。

あの前後に①か②のどちらかでも達成できなかったのが痛かったし、現状では「チャンスを生かせなかったグループ」にカテゴライズされてしまうと思います。

 

でも、彼らに「国民的アイドル」の資質と実力があることは我々ファンが一番よく知っています。

また、キンプリ以前の既存グループの中では、近年のCDセールスで嵐に次ぐ実績を残しているのはJUMPです。

山田涼介というプライム帯で主演をはれるエースも抱えています。

 

嵐が活動を休止する2020年から来年2021年にかけては、SMAPの人気がピークアウトし世間が次の国民的アイドルを求めていた2005年から2006年と似た状況になると予測されます。

あのときは新星KAT-TUNが本命で、既存グループの嵐はダークホース的存在でした。

 

ポスト嵐レースをどのグループが制するのか、現時点では判定するデータが足りません。

ダークホースJUMPに勝機があるかも、希望的観測を除外すれば、本人たちの努力次第としか言えません。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

国民的アイドルは必要か

 

 

今年の正月にここで、「そもそもSMAPや嵐のような国民的アイドルはもう現れないのではないか」と書きました。

そう考えた主な理由は、国民の価値観が多様化した時代に、もう絶対的なカリスマは現れにくいだろうという考えからでした。

 

しかし、それは間違っていました。

コロナ禍を経験して、考えを改めました。

 

良い意味でも悪い意味でも、日本人は何も変わっていなかったからです。(悪い意味の方が大きいですが)

マスコミに大きく左右される世論や、一斉に右へならえの国民性、空気に逆らえない強い同調圧力、日本社会は戦前からほとんど変わっていないことを実感しました。

また、こういう状況になると、カリスマを求める風潮も相変わらずでした。

 

一方で、国民が疲弊したり不安に駆られたとき、国民を癒す存在の必要性も強く感じました。

歴史は国民的アイドルを求めるし、嵐が活動休止してもそうした存在は必ず形成される、コロナ騒動でそう確信しました。

 

したがって、断言できます。

嵐にかわる国民的アイドルは必ず現れると

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

最後に

 

30年にわたる国民的アイドルの歴史を振り返ってきました。

自分は1994年生まれですし、ジャニーズに興味を持ったのもJUMPファンになった6年くらい前からに過ぎません。

リアルタイムで体験していないことの方が多いので、今回書いた情報の中で間違いがあるかもしれません。もしあればご指摘ください。

 

担当外のグループについて論評するのも躊躇する部分がありました。

そのグループの全盛期を知らないからこそ、先入観なくデータのみで判断し見えてくるものがあるのではないかと思い、無謀な分析に挑戦してみました。

その時代に生きてなければ研究しちゃいけないなら、すべての歴史学は成立しませんし。

 

今回の主なテーマは、「国民的アイドルを数値化してみよう」ということでした。

数値といっても、90年代以降のジャニーズの歴史を縦軸、CDセールスとドラマ視聴率という2つの指標を横軸に、国民的アイドルを可視化していくという単純な作業です。

それでも結構苦労しましたが(笑)

 

「数値化が大事だ!」と思ったのには、きっかけがあります。

新型コロナウイルスです。

 

緊急事態宣言は解除されましたが、自粛要請による倒産や失業が相次ぎ、休校を余儀なくされた子供たち、学業の継続、就職に影響が出ている学生もいます。

自分の大切な人たちにも大きな影響がありました。

 

一方で、実は日本の感染は、宣言を出す前に既にピークアウトしていたと、のちに専門家会議が明らかにしました。

日本の緊急事態宣言は緩いと批判されましたが、それより厳しいロックダウンをした欧米諸国の方が、人口当たりの死者が日本の数十倍いるそうです。

 

ここにきて、ロックダウンや緊急事態宣言には効果がなかったとか、日本や東アジアには特有の免疫やファクターXがあるとか、そんな議論が盛んです。

それでは一体、緊急事態宣言とは何だったのでしょうか。

 

問題は、国民に多大な影響を与える政策が、根拠となるデータが示されないまま始まったことです。

解除する段になってからは、大阪の知事が出口戦略や解除の基準値が必要だと言ってくれましたが、肝心の入口ではそんな数値は示されませんでした。

結果、人生を狂わされた人たちは、「しかたない」で済まされるのでしょうか。

 

話が大きくなってしまいましたが、「客観的な数値を用いて分析し冷静に判断しないと、とんでもない結果を生む」というのがコロナの教訓だと思っています。

 

今回の取り組みは、いわば国民的アイドルの入口と出口を数値化することで、その実像に迫ろうというものです。

その狙いがどこまで果たせたかはわかりませんが、皆さんがアイドルという日本文化の今後を考える際の一助になれば幸いです。