山田と付き合いたい
そう星に願った。
神様が俺にくれたのは
山田の恋人、知念と入れ替わるという
残酷すぎる「奇跡」だった。
山田、近いよ
ずっとこっち見てるし
これから俺たち普通に眠るんだよね？
そろそろ電気消してくれないかな
俺から電気消してって言ったら、なんか催促してるみたいだし
いや催促って何を！？
でも、山田ってベッドではどんな顔するんだろ・・・
「ねえ、知念」
「え、えっ？」
「さっきから何考えてるの？あと、なんで視線そらすの？」
「いや、山がずっと俺見るから」
「その呼び方やめろよ。てか俺・・・？」
「あ、いや、涼介が僕のこと見るから」
「今日の知念、マジでかわいいんだもん」
「そ、そうかな」
「ほんと初めてのときみたい」
だから俺にとっては初めてなんだよっ！
いや初めてって・・・
自分にツッコミを入れている間に
山田が・・・
覆いかぶさってきた。
「ちょっ、涼介っ！！」
「知念・・・」
山田の顔が近づいてくる
「待って、りょうす」
言葉を遮るように
山田の唇が俺の唇を塞いだ。
時間が止まったように感じた
ずっと妄想してた山田とのキス
想像以上に山田の唇って柔らかい
そう思った。
でも、そんな余裕があったのは最初だけで
すぐに俺は何も考えられなくなった。
とろけるような甘くて激しいキス
「知念、どうしたの。キスだけでこんなにカラダ、ビクンビクンしてるよ」
「ちがう・・・」
「ちがうの。じゃあもっとするね」
キスだけで、俺のカラダは恥ずかしいくらいに反応していた。
「かわいい。声も出ちゃってるよ」
これは、知念のカラダが感じやすいから
俺が感じてるんじゃない
知念のせいにして
俺は抵抗するのを放棄した。
突然、キスが止まった。
山田の視線が下に向かう
「あれ？知念さん」
「これどうしたのかなー？」
山田は俺の変化を見逃さなかった。
「さっきしたばっかりなのにね」
え？てか、さっきしたのかよっ！
やまちね今夜、２回目なの！？
「涼介、ま、待って」
「この子はそう言ってないけどなーほら」
「うわ！」
「かわいいなあ。いま楽にしてあげるからね」
そう言うと、俺のボクサーに手をかけた。
これって・・・
きっと、この先は・・・
こういうことでしょ！？
（※裕翔個人の感想です）
ダメだっ！
これ以上はダメだ！
このままだと一線を越えてしまう
知念にも申し訳が立たない！！
「涼介！ちょっとストップ！」
「え」
「あの、ト、トイレ！トイレ行きたい！」
俺は逃げ出すようにベッドから飛び出し、トイレへ駆け込んだ。
トイレに閉じこもった俺は頭を抱えていた。
「この状況、どうしたらいいんだ・・・」
てか、山田ってあんななんだ
すごく甘くて
で、めちゃめちゃドＳじゃん
あのまま進んでたら・・・
トイレの壁の小さな鏡に、知念の顔が映っていた。
セットしてない髪、長いまつ毛、ピンク色の唇
確かにかわいい・・・で、えろい
こんな知念見てたら、山田も我慢できないか
おい！
なに理解示してるんだ裕翔
我に返ると、熱を持ったままのものが目に入った。
全然、おさまらない
まずはこれを何とかしなきゃ
このままベッドに戻ったら、また山田に流されてしまう
そうだよ、裕翔
我慢することなんてないじゃん
これを処理すれば
山田に誘惑されても、克てるじゃん
それが山田に抵抗するための最善の道と考えたのか
それとも、ただ自分を慰めたかっただけなのか
俺の頭の中は、熱を解放したいという欲求に占拠されていたんだ
それがあんな結果を招くなんて、そのときの俺は想像もしていなかった。
知念、ごめん
すぐ終わるから
ほんと、ごめん
「やま・・・」
山田とのキス、触られたときの感触
右手の動きはどんどん早くなった。
すぐ近くに山田がいるのに
こんな行為をしていることに、興奮していたのかもしれない
俺はすでに限界に達しそうだった。
「やば・・・もう・・・」
激しくラストスパートをかける
あ、もういく
そのときだった
「知念、大丈夫ー？お腹いたいん・・・」
その言葉と同時に、トイレのドアが開いた。
「りょうすけ・・・」
「・・・なに、してんの？」
つづく