夜明けのすべて | ☆テツコの部屋☆~映画評論館~

夜明けのすべて

70点

朝ドラ『カムカムエヴリバディ』で恋人/夫婦役だった松村北斗と上白石萌音の主演作品。
女性はPMS(月経前症候群)で月に1度イライラが抑えられなくなり、男性はパニック障害で気力を失っていた。この2人が職場で出会い、最初は無関心だったが徐々に共感し、心を開いていく展開。
精神的に不安定な男女だけど体自体は健康なので、映画の流れにも悲壮感があまりない。

相手の「内面の病気」に干渉し、いつしかおせっかいを焼くようになり、2人だけでなく周囲の人たちも巻き込みだんだんと暖かい気分になれるところがこの映画の特色。劇中にある「夜明けの直前が一番暗い」というセリフが、本作の内容を一番よく表していると思う。
個人的には朝ドラでこの2人の演技に感動した1人なので期待も大きかったが、題材としてはまずまずの印象。脇役で出ている今売り出し中の俳優やベテラン陣もいい味出しており、ともすれば暗くなりがちなテーマを爽やかにまとめている佳作。感動で涙が流れるようなタイプではないけど、見た後はそれなりに清々しくなれるかな。

まぁただ現実はこう上手くいかないものでもあるので、映画と割り切って見るべし。


監督:三宅唱
出演:松村北斗、上白石萌音、渋川清彦、芋生悠、藤間爽子、宮川一朗太、丘みつ子、りょう、光石研
2024年  119分