オーメン・ザ・ファースト | ☆テツコの部屋☆~映画評論館~

オーメン・ザ・ファースト

61点
1976年公開の名ホラー『オーメン』の前日譚となる物語を2024年に公開。
悪魔の子・ダミアンの誕生をめぐる攻防となるが、まぁ前日譚なのでダミアンが無事に生まれることはわかっているのがこの手の作品の弱点。
さて今回は、派手な映像で怖がらせると言うよりはあくまでストーリー勝負。初代名作『オーメン』の隅から隅までを熟知し、徹底的にリスペクトし掘り下げている印象。なので昔の『オーメン』を見てない人には本作の凄さは今一つ伝わってこないと思う。
しかし「凄い」からと言って面白いとは限らないわけで、カソリック協会の失墜と反キリストに絡んでいく修道女の複雑な展開は、よほどオーメンマニアでもない限りなかなかすんなり入ることは難しそう。
例の音楽はファンの恐怖心を煽る秀逸な演出。けど劇場公開作品なのに、グロい場面にボカシが入ってるのがズッコケる。ボカシ無しだとR-15になっちゃうからかもしれんけど、そもそも小中学生はこの映画見ないでしょ(笑)。金払ってるんだからそこはオリジナル映像で見せてよ。
完成度は高いものの、怖さを追求したホラー作品としては詰めが甘い。『エクソシスト』もそうだったけど、過去の名作を復活させたわりにイマイチ感が漂いすぎ。技術は進歩してるのに、今の時代の映画屋は腕が落ちたなと言われても仕方ないクオリティ。

監督:アルカシャ・スティーヴンソン
出演:ネル・タイガー・フリー、ビル・ナイ、ソニア・ブラガ、ラルフ・アイネソン
2024年  120分
原題:The First Omen