私とイトコとの再会は実は10年ぶりくらい。

10年前の、彼は表情が乏しく、いつも一人でどこかふら~~っと行ってしまう感じ。

当時の私は、彼とどうコミニュケーションをとっていいのかわからない。

そして彼の瞳には、私はうつっているのかな。。。なんておもいました。

彼を避けてきたつもりは一切ないけれど、10年というスパンがあき、たまたま彼の家族の夏休みに実家にきてくれるとのことで、私も再会を喜ぶ気持ちと、不安な気持ちでいっぱいでした。

そんなとき、東田直樹さんのテレビを拝見し、(全ての自閉症の人が彼のようではない、彼が自閉症の答えではないという気持ちでいます)

私が彼の番組をみたことでの、大きな変化は、

「彼らの瞳、心の中に私はきちんといる。自信をもって会いたい」

という気持ちになりました。この感情にいきつかせてくれただけでも大きな番組だったと思ってます。

そして10年ぶりの再会。本当に会えてよかった。会ってよかった。

と思うほどの成長でした。表情は豊になり、彼にカラカわれたり、そして怒られたり。名前を呼んで手を振ってくれたり。
本当に本当に嬉しかったのをおぼえています。

そして昨日、彼の音楽療法を見学させてもらいました。

最初はグループでのレッスン。

もの凄く驚いたのが集団を形成できている。

「シンバルの〇〇ちゃん!」というとリズムにあわせて音をならす、先生が次の子の名前を呼べば止める。

先生とのコミニュケーション、そして集団のなかでの1人としてやっていることにも驚いた。

勿論、先生との相性、お友達との相性もあります。それは私たちだって一緒。

そして、ある女の子だけ、ご両親が用事でこれず、不安そう。でもその表情が、不安なのか、いつもなのか私にはわからない。でも迎えの方がきたときの表情の変化はもの凄かった。

不安だったんだな。。。心配だったんだな。。。

とすぐにわかるほど。これだって私たちだって一緒。


そして、ピアノ担当のイトコは、必ず、自分が弾いたピアノは自分で片付ける。
その後、私があえて、イトコに「これもって」と渡すと、もってくれたり。

私は10年前の彼としか接したことがないので、彼の成長がもの凄く著しいものと感じました。

そして叔父からは、時間の感覚が乏しいこと例えば(10分まって、30分待ってなど)、そして、学校生活から、就労という環境の変化に順応できる子と、出来ない子がいる。

と教えてもらいました。

時間って人間が創りだしたものであってそれを理解しろっていうのは難しいな。と哲学的な発想にもなってしまったり。

就労にうまくいってる子の特徴は、やはり、学校よりも楽しい場所にすること。それは、金銭的対価によって自分が欲しいものを買える、これを自分の喜びにし、働く気力に変えるなど。

凄く興味深かったのは、自閉症は趣味がない。その子にあった趣味を見つけてやるのも親の仕事。イトコはオシャレ(例えば洋服のカタログを見せてあげ、なにがほしい?ときくなど)。お菓子を買うなど。

これら、彼らの中の喜びを見つけ出せないと、苦労をすると聞きました。

午後は個人レッスンを見学させてもらいました。

またそれが感動そして驚き、あまりの感動に少し涙がでてしまったくらい。。。

例えば、大塚愛のさくらんぼ、ミッキーマウスマーチ、ウィーウィッシュ・ア・メリークリスマス、などの曲を先生のメロディーにあわせて、メインパート(単音)を一緒に弾いていること。


たまに私のところに踊りにきてくれる、その踊りのリズムが2拍子だったら、ピアノにも戻った時に4拍子にあわせられるなど、きちんとリズムにあわせられていること。

つまり我が道リズムではないことが凄かった。

鍵盤を1オクターブ使う時は、人差し指のみの演奏、鍵盤がドからソまでなら親指から小指までを使っている。

私は将来彼を職人にしたいという気持ちで見てしまうので、彼の成長が自分の中の確信に変わることがおおかったです。

私は10年ぶりに彼にあい、自閉症とは、と考え始めて色々彼、そして彼の家族から教えてもらっています。

自閉症とは奇麗ごとではすまされないことも多いことも知った。

でも、私が知ろうとしなければ知れなかったことの数々。

彼らの特性は本当100人いたら、100人。まさに10人10色。

学校では先生が「あなたたちの、個性は10人10色」なんていうけれど、必死に四角にしようとする。

この10人10色の世界こそが自閉症であって、一筋縄にしようとしているから1つの世界にならないんだろうな。とおもったり。。。


もっと健常者と呼ばれる四角の世界と、彼らの10人10色の世界が混じれればと思う日々。。