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地中海食はフレイル予防にも有用
米・11年間の追跡調査

 米国の大規模前向きコホート研究Framingham Offspring Studyの参加者を11年間にわたって追跡した結果、
フレイル予防に地中海食が有用である可能性が示唆された。同研究では、地中海食摂取の遵守率が高い人や地中海食に豊富に含まれるカロテノイドの摂取量が多い人では、フレイルのリスクが低いことが示された。米・Beth Israel Deaconess Medical CenterのCourtney L. Millar氏らがAm J Clin Nutr(2022年5月12日オンライン版)に報告した。
平均年齢60歳の男女2,384例を追跡

 地中海食の有益性は広く知られているが、
日常的に地中海食を摂取する習慣がない米国の高齢者のフレイル予防における有用性については不明だった。
そこでMillar氏らは今回、地中海食および地中海食に豊富に含まれるカロテノイドなどの抗酸化物質摂取とフレイル予防との関連について検討した。

 対象は、Framingham Offspring Studyの参加者のうちフレイルではない成人2,384例(平均年齢60歳、範囲33~86歳、女性55%)。地中海食の遵守率はMediterranean-style dietary pattern score(MSDPS)と食物摂取頻度質問票の回答から推定される抗酸化物質(ビタミンC、E、カロテノイド)の摂取量で評価した。フレイルの診断にはFriedらの表現型モデルを使用。

①体重減少、②疲労感、③活動量低下、④歩行速度低下、⑤握力低下-の5項目中3項目以上該当する場合と定義し、

追跡期間中に該当する項目が増えた場合をフレイルの悪化と判定した。
カロテノイド摂取量が10mg増加するごとにリスクは16%減

 ロジスティック回帰モデルを用いた解析の結果、フレイルのリスクはMSDPSが1単位上昇するごとに3%低下することが示された〔オッズ比(OR)0.97、95%Cl 0.96~0.99〕。また、カロテノイドの摂取量が10mg増加するごとに16%低下し(同0.84、0.73~0.98)、ビタミンEの摂取量が10mg増加するごとに1%低下した(同0.99、0.98~1.00)。一方、ビタミンCの摂取量とフレイルのリスク低下に有意な関連は認められなかった(P=0.36)。

 さらに、年齢で層別化した解析では、フレイルリスクは60歳未満の人でMSDPSが1単位上昇するごとに7%低下し(OR0.93、95%CI 0.89~0.96)、カロテノイド摂取量の増加により41%低下することが示された(同0.59、0.41~0.82)。

 以上から、Millar氏は「地中海食を普段の食事に積極的に取り入れることで、特に60歳以下でフレイルを予防できる可能性がある」との見解を示している。

<引用ここまで>

 

フレイルというのは、筋骨格系の機能低下を示しています。

米国の食事というのは、海に面していない州も多いので、海産物の摂取機会が少ないことがままあります。

地中海食はフレイル予防(筋肉量・筋力の低下)の予防にも良いようです。

心臓や血管、がんばかりに目をつけがちですが、健康寿命を考えると、フレイルというのは大切な事柄です。