*(注)今回は食事とは関連のないエントリーです。*

 

 

「自己免疫疾患はすべて治癒する時代が来る」

と予言しているかくちゃんです。

 

食事療法ではない、自己免疫疾患に対する「かくちゃん理論」があります。

それは、

「疾患を引き起こす抗体を作れないようにすれば自己免疫疾患は治癒する」

です。

 

ですので、リツキシマブの適応拡大は予測していました。

しかしまだまだ適応拡大の余地があります。

たぶんリツキシマブも多発性硬化症に効果があると思います。

 

で、本日ご紹介の論文はコチラ↓↓↓

<引用ここから>

再発性多発性硬化症に対するウブリツキシマブとテリフルノミドとの比較 Ublituximab versus Teriflunomide in Relapsing Multiple Sclerosis

L. Steinman and Others

背 景

モノクローナル抗体ウブリツキシマブ(ublituximab)は,抗体依存性の細胞溶解を促進し,B 細胞を枯渇させる.ウブリツキシマブは,再発性多発性硬化症の治療薬として評価中である.

方 法

2 件の同一の第 3 相二重盲検ダブルダミー試験(ULTIMATE I,ULTIMATE II)で,再発性多発性硬化症の参加者を,ウブリツキシマブの静脈内投与(1 日目に 150 mg,その後は 15 日目,24 週目,48 週目,72 週目に 450 mg)とプラセボの経口投与を行う群と,テリフルノミド(teriflunomide)の経口投与(14 mg を 1 日 1 回)とプラセボの静脈内投与を行う群に,1:1 の割合で無作為に割り付けた.主要エンドポイントは年間再発率とした.副次的エンドポイントは,96 週目までの MRI 上のガドリニウム増強病変数,障害の悪化などとした.

結 果

ULTIMATE I 試験に 549 例,ULTIMATE II 試験に 545 例が登録され,追跡期間中央値は 95 週であった.ULTIMATE I 試験では,年間再発率はウブリツキシマブ群で 0.08,テリフルノミド群で 0.19 であった(率比 0.41,95%信頼区間 [CI] 0.27~0.62,P<0.001).ULTIMATE II 試験では,年間再発率はそれぞれ 0.09,0.18 であった(率比 0.51,95% CI 0.33~0.78,P=0.002).ガドリニウム増強病変数の平均は,ULTIMATE I 試験ではウブリツキシマブ群で 0.02 個,テリフルノミド群で 0.49 個であり(率比 0.03,95% CI 0.02~0.06,P<0.001),ULTIMATE II 試験ではそれぞれ 0.01 個,0.25 個であった(率比 0.04,95% CI 0.02~0.06,P<0.001).2 試験の統合解析では,12 週の時点で障害の悪化が認められた参加者の割合は,ウブリツキシマブ群で 5.2%,テリフルノミド群で 5.9%であった(ハザード比 0.84,95% CI 0.50~1.41,P=0.51).注入に伴う反応(インフュージョンリアクション)は,ウブリツキシマブ群の 47.7%に発現した.重篤な感染症は,ウブリツキシマブ群の 5.0%とテリフルノミド群の 2.9%に発現した.

結 論

再発性多発性硬化症の参加者において,ウブリツキシマブは,テリフルノミドと比較して,96 週の期間における年間再発率を低下させ,MRI 上の脳病変を減少させたが,障害の悪化リスクを有意には低下させなかった.ウブリツキシマブはインフュージョンリアクションと関連した.(TG セラピューティクス社から研究助成を受けた.ULTIMATE I 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT03277261,ULTIMATE II 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT03277248)

 

<引用ここまで>

 

多発性硬化症・視神経脊髄炎などは、抗アクアポリン抗体などの自己の神経に対する抗体が悪さをする疾患です。

「じゃあ、そんな抗体をできないように、すべてのBリンパ球だけいったん消しちゃえば?

 しばらく待てば、新しいリンパ球が生まれてくるから問題ないし。」

ということで、ウブリツキシマブで一時的に体内からBリンパ球を抹消してみました。

選択して抹消できればいいのですが、それは難しいので、体内のすべてのBリンパ球を抹消します。

すると再発病変は画像診断では 0.02個または0.01個まで減ったのです!!!

障害に関しては、すでに完成してしまっている障害までは回復できなかったようです。

 

抗CD20抗体とJAK阻害剤で、いままで不治の病とされていた自己免疫疾患・難病に光明がさしてきています。