ガーネットがセルティックスにトレードされました。


その前にレイ・アレンもセルティックスに加わってるので、

ピアース、ガーネット、アレンが同じチームにいることになりました。


これは、かなりエキサイティングです。


この3人が揃ったことよりかも、

セルティックスが勝てるチームになったかもしれないという点で。


僕は、バークリーがサンズに移籍してからのサンズファンですが、

セルティックスがラリー・バードの引退後に優勝してないことが気になってました。

日本のプロ野球で巨人が勝てないと違和感というか物足りなさというか、そういうのを感じるのと同様に、

NBAではセルティックスは勝つチームでなくてはいけません。

(一時的に勝てない時期があるのはOK。そして、「勝つ」というのは「優勝する」ということ)


セルティックスは、バードが引退した後はレジー・ルイスという選手を軸にチームを作る段取りでした。

しかし、不幸なことに、ルイスは亡くなってしまいます(たしか、心臓病で)。

ここからがセルティックスの長き低迷の始まりでした。

ピアース&ウォーカーの2枚看板で持ち直した時期もありましたが、

ウォーカーがFAでどっかに行ってしまって、また低迷。

しかも、セルティックスOBであるダニー・エインジがGMになってから

ファンから見ればワケのわからないチーム作りで迷走を独走。

エインジのGMぶりに疑問を持つNBAファンは僕だけではないでしょう。

事実、セルティックスはエインジがGMになってから大した成績を残してない。


しかし、


今のNBAで10本の指には入るケビン・ガーネットを獲得した。


彼を獲得するために大出血はしたものの、

(選手5人とドラフト権2つは、さすがにサービスし過ぎだと個人的には思う。足元見られた感大)

直前に、屈指のシューター、レイ・アレンを獲得していたのも大きい。

そして、どんなに弱いチームでもエースはいる。

幸いなことに、セルティックスの場合、それがオールスター常連のポール・ピアースだった。


オールスター3人が揃った。

これは、期待しないわけにはいきません。


まだ来シーズンは始まってませんが、

昨シーズンに比べて断然勝てそうなチームになった。

この3人以外のメンバーの層が薄いという懸念があるけれど、

個人的にはさほど問題ないように思ってます。


要は、HC次第。


ハッキリ言って、この3人が揃っててプレイオフで勝てなかったらおかしい。

最低、ファーストラウンドは突破。

NBAファイナル進出出来るかどうかはわからないけど、

カンファレンス・ファイナルまで勝ち進んでもおかしくないはず。


選手層が薄いのなんて、

シーズン序盤から育てていけば済む話。

勝つことももちろん大事で、3人が揃ったのは勝つためだけど、

この3人だって、3人だけで勝てるとは思ってないと思う。

自分達をサポートしてくれる力を備えた、力を備えていってくれるチームメイトを望んでるはず。


そのために、セルティックスは、獲得可能なFAとコンタクトは取ってます。

それはそれで別にいい。

大きく動いたのだから、シーズンインまで動けるだけ動くのは構わない。



何にせよ、また言うけど、HC次第。


セルティックスのHCって、僕の記憶が確かならドッグ・リバースでしたっけ。


NBAって、選手が優れてることに越したことはないけど、

結構、HCの手腕に左右されるんです。

圧倒的なチーム力の差はなかなか埋まらないけど、

多少の差はHCの手腕で埋まります。覆せます。


具体的な戦術を言うと、3人が同時にコートに立つのは試合開始時と4Q終盤だけでいい。

他は2人をコートに出して1人を休ませる形でいい。

もちろん、エース3人には35分以上はプレイしてもらいたいから、その辺は臨機応変にするとして。

だから、僕の案だと、エース2人をサポートする選手3人を育てればいいことになります。

ピアースはSGとSF担当。

ガーネットはPFかC(まぁ、彼は類まれなオールラウンダーだけど)。

アレンはSG。

なので、PGとCを育てればいい。欲を言えばSFも(でも、SFはプレイ時間の調整で何とかなると思う)。


で、


(生粋の)PGはハッキリ言って要らないんです。

だって、ガーネットは平均アシストが平均的なPG並なんだから。

しかも、さほど強くなかったウルブズで残した数字です。

それに、ピアースとアレンだって、その気になれば並のPGほどのアシスト数を稼げると思う。

良いパッサーの条件は、シュートが上手いこと、ダブルチームされるだけの力があること、です。

ピアース、ガーネット、アレンには、その条件が備わっている。

もちろん、GOODなPGがいるに越したことはないけれど、

別にゲームメイクを意識する必要ないです。

この3人のいずれかにボールが回ったら、必ず1人は密着マークしてくる。

そして、1人では対応し切れなくなるだろうからヘルプに来る。

誰かがノーマークになる。

そのプレイヤーにパスを出せばいい、という算段。


もちろん、この作戦だけやってればいいというわけではありません。

かつて、ロケッツにオラジュワン、バークリー、ピッペンというオールスターが揃いました。

でも、勝つまでには至らなかった。

オールスター3人が揃ってても必ずしも勝てるわけではない前例はあります。


ただ、ロケッツの場合と今回のセルティックスの場合とでは大きく違う点があります。

それは、ピアース、ガーネット、アレンの各々のプレイスタイルは、他の2人の長所を消すようなことは無いだろう、ということ。

ロケッツの場合、インサイドで構えるオラジュワンかバークリーにパスを出して、後は誰かがノーマークになるのを待つというスタイルでした。

それだと、ピッペンの長所が消されます。

ピッペンは、ブルズのトライアングル・オフェンスのような、流動的なバスケをすることによって活きる。

後のブレイザーズでも、高齢化したこともあり、ピッペンは大したことは出来なかった。

(ブレイザーズの時は、個性的な集団をまとめる役割だったとは思うけど)

とにもかくにも、ロケッツの場合は、オールスター3人でも実質2人だったようなものだった。


今回のセルティックスの3人は、相性は悪くないと個人的には思う。いや、むしろ良い。

まず、PGがボールを運ぶ。

そこから、両サイドにいるピアースかアレンにパスを出す。

インサイドにいるガーネット(またはピアース)にパスを入れる。

攻める。

一例だけど、これでいいと思う。

ただ、ガーネットはダウンタウンよりもちょっと中でボールを保持して両サイドにパスを出すプレイスタイルだから、

PGがボール運びをして、まずガーネットにパスを出すという形がベターだと思う。

ピアースはSG・SFとしてはケチつけようがないし、アレンは生粋のシューター、

ガーネットはオールラウンダー(しかも、近年はリバウンドを頑張っている)、

という風に、パッと見、行けそうなんですけども。


ただ、数字的に考えて、

エース3人それぞれには20得点を期待するとして、残りの30~40点ほどを彼らのアシストで補おうというのにはかなり無理があります。

30~40点(アシスト1=2点。30点だと、アシスト15)分のアシストを3人だけに期待するのは微妙なライン。

やはり、3人以外のメンバーを育てる必要があります。


で、再三言いますが、HC次第なんです。

この3人がいるからといって、勝つことを意識し過ぎると長い目で見て負けます。

レギュラーシーズンはほっといても勝てるはずです。

問題はプレイオフ。

オフの残りの期間で有望なFAを獲得するのもいいですが、

レギュラーシーズン中に育てることの方を重視して欲しい。


やっとセルティックスが勝てるチームになりそうなんだから。

ドッグ・リバースの責任は重大です。

プレッシャーはあると思うけど、やりがいはかなりあります。

もちろん、3人は言うまでもなく。


頑張ってくれ、セルティックス。