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オープンしたての頃の展示だったかな。
女たちの戦争と平和史料館
で見たパネルに宋神道さんの写真と言葉があった。
宋神道さんは映画も作られたぐらい有名な人なんですよ。
でもそのときは映画はできていなかったかな?
そのパネルにね。
宋さんの言葉が書かれてあった。
正確には思い出せないけど、「オレもすっかりあかぬけたババアになっちまった」
みたいな話し言葉。
宋さんは宮城県に住んでいるのね。
そして
「今は幸せだ」
と書いてあったのだと思う。
すごいな、と思った。
したたかな苦労をした年配の人が、それでも幸福を感じて生きているのは普通の話でもあるけど。
「運動」方面では「慰安婦」といわずに「サバイバー」といいます。
わたしの場合、「サバイバー」というより自分の中では「ばっちゃま」と呼んでいる。
特別な思いで「ばっちゃま」たちのことを思う。
生き抜いてきた人たちの苦難に悲憤を覚えたり同情したりではありません。
そういう感情ならば被爆者のほうに感じるかも。
聖化されたものとしてではなく、もっと身近なものを連想する。
幼い頃、海水浴にいっていた頃、間借りしていたうちのおばあさんとか。
近所の商店街で夕涼みしているおばあさんとか。
ばっちゃまのことを思うと、もっとしっかりしようと思う。
やる気の出ないとき。朝の床から起きたくないとき。
「ばっちゃま、ばっちゃま」と、声に出すのです。