黒山レーシングの中古車販売/第2弾TYS140F→⑦ | 一郎のだまされ日記

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チーム黒山レーシング 黒山一郎でございます。

<クラッチの大改良>

 

スタンダードのTYS125Fのクラッチは「切れるか、つながるか」しかありません。一番大切な「半クラッチ」部分がないのです。それはそうで、油圧クラッチ全盛時代なのに縄文式時代の「ワイヤークラッチ」なの。

 

いつもはペッタリとくっ付いている「クラッチコルク板とクラッチ鉄板」を「引っ張るか、押すか」して隙間を作り広げてやるからクラッチは切れるのです。この「引っ張るか、押すか」の差は体感出来まして、今のバイクに最初から付いています油圧クラッチはすべて「押す」タイプです。縄文式時代の「ワイヤークラッチ」は、見れば分かりますが「引っ張る」タイプです。

 

「押す」は押す力がダイレクトに伝わりますが、「引っ張る」はワイヤーのたるみ分だけどうしてもタイムラグ(時間のズレ)が出てしまう欠点があり「いつ切れて、いつ、つながったか」という一番大切なクラッチワーク部分に難しいところがあります。

 

ということで、多くのショップが販売していますTYS125F用油圧クラッチは「引く」ですが、お嫁に出すうちの油圧クラッチは「押す」ですね。写真のようにマスターシリンダーから出てくるロッドが直接クラッチシフトレバーを押す構造。

 

 

Gas-GasやScorpaのクラッチ機能は「3枚クラッチコルク板」で、押したり引いたりは「皿バネ方式」のいわゆる最新型ダイヤフラム方式。でも、HONDA/RTLやBetaは古典的な「6枚クラッチコルク板」で、、押したり引いたりは「巻き巻きコイルスプリング6本方式」の古臭いけど確実な機能。

 

TYS125Fのクラッチ方式は、HONDAやBetaと同じ方式で「5枚クラッチコルク板+巻き巻きコイルスプリング4本方式」です。スタンダードのこのクラッチのバイクに乗ってみればすぐに分かりますが、まさに「切れるか、つながるか」だけ。「半クラッチでパワーを出す」「微妙なクラッチワーク」という言葉は存在しません。

 

この理由は「5枚クラッチコルク板」にありまして、このバイクは「6枚クラッチコルク板+5枚クラッチ鉄板」に改良変更しています。本当は6本の巻き巻きコイルスプリング方式」にしたいんだけど、町工場レベルでは不可能な改造。で、4本の巻き巻きコイルスプリングを強化タイプにして対応しています。

 

「強化スプリングにしたら重くなるんと違うの」はご心配なく、押す方式の油圧クラッチシステムでクラッチレバーの重さはそうは変わりませんから、ご安心を

 

 

クラッチホースの取り回しも、出来るだけ内部のオイルの移動がダイレクトに出来るように直線的に設定しています。「閉じ込められた空間の液体の移動は、どの方向にも同じ力が加わる(パスカルの原理)」と、おっしゃいますのはフランス人ブレーズ.パスカルのおじさんです。この場合「静止している液体」というのが条件で、液体が動き始めるとやっぱり直線的なのが一番早く伝わる(伝導する)ので、ホースの取り回しもなるべく直線的にですね。

 

次は、スイングアーム取り付け、リアクッション取り付け、後ろブレーキシステム取り付けへと進んでいきますよ。

 

より