ひさびさに映画レビューでも。

ケーブルTVにて、映画 「マッチポイント」を鑑賞しました。

2005年公開のイギリス映画で
ウッディ・アレンの監督・脚本。
アカデミー脚本賞にノミネートされた作品です。

アイルランド人のクリスは、英国の上流階級に憧れる野心家。
高級テニス・クラブのコーチになり、金持ちの息子・トムと親しくなる。
ある日トムに誘われてオペラに行くと、トムの妹・クロエに気に入られる。
やがて交際が始まり、クリスはクロエの父親の会社の社員になり
二人は結婚、クリスの人生は前途洋々に見えた。
しかしクリスはトムの恋人・ノラとも浮気を続けていた。
ノラを愛しているが、クロエが与えてくれるリッチな生活も手放せない。
そんな折、ノラの妊娠が発覚。
自分の人生を完璧にするため、クリスは殺人を思いつく…。



主人公のクリスがどうしようもなく身勝手なのですが

何でもかんでもパパの力に頼るクリスの妻や
(結婚した途端、早く赤ちゃんが欲しいばかりに
どんどん夫をげんなりさせていく)

女優志望の妖艶な容姿を持つノラに
生理的嫌悪を隠せず、また
クロエにさえ「早く孫を見せて」と無神経な言葉を放つ母親や
(恵まれているのが当たり前故に
他人の気持ちが推し量れない・・・?)

自分が妊娠した途端、クロエとの別れを
しつこく迫りヒステリックになっていく愛人のノラ
(あの美しさはどこへ・・・?と思う程豹変していきます)

みんながみんな身勝手で
人間のエゴイズムが上手く描かれていました。

イギリスの上流階級に対する皮肉も
込められているのでしょう。。

そして、最初は内向的・控えめであった主人公が
裕福な生活・地位と美しい愛人を手に入れ
その狭間に苦しみながらも
どんどんと別人のように変わっていく様も見事でした。

エンディングは
一見幸せな光景で終わるのですが
それが恐ろしい・・・(((゜д゜;)))

少々後味は悪いですが
目が離せぬ展開で見応えがありました。