—AM0:00 nagoya,japan—


ドンドンドン!・・・ドンドンドンドンドン!


けたたましく鉄製の重い扉を叩く音で目が覚めた。

「くそ、こんな時間にいったい・・・」

ドアを開けるとそこにはかつての戦友が今にも飛び掛ってきそうな顔で立っていた。

「・・・お前がここに来るってことは」

「とにかく入れてくれ!話はそれからだ」

「帰ってくれ、もう俺はCIAとは関係ない」

「彼女がどうなってもいいのかよ!」

「・・・どういうことだ」


重苦しい空気をまとった二人の男が無機質な部屋のソファに腰掛け小一時間ほどがたった


「その大勢の人質の中に彼女がいることは確かなんだな?」

「ああ、奴等は彼らの生体エネルギーを媒体に禁断のプログラムを実行しようとしている」

「・・・くそ!どうして彼女なんだ!」

「もし、あのプログラムが実行されたらビッグバンどころじゃすまないぞ!」

「頼む。この世界を救えるのはお前しかいないんだ!バトルプログラマーユウジ・・・!」


—AM1:14 nagoya—


彼女を危険にさらさないためにCIAを辞めたのに

結局、俺はなにもかわらないじゃないか!

タイムリミットは4時ジャスト、間に合うか?いや、間に合わせてみせる。


—AM2:43 gifu,takayama,—


「おお、ユウジよく帰ってきたな久しぶりじゃないか」

「父さん!・・・MOGIシステムを貸してくれ!」

「・・・お前、自分が何を言っているのかわかっているのか?」

「ああ!だから俺はここにいる!!」

「やめろ!!!近づくな!」

「放してくれ!!・・・くそ!」

ボカグシャーッ!

「・・・くっ。ユウジ・・・」


—AM2:52—


「これがMOGIシステム・・・肉眼で確認するのは初めてだ」

男は素早く座席に腰掛けヘッドギアとリストバンドを装着した

シンクロ率17%・・・49%・・・83%・・・100%!

よし!あとはこのプログラムを・・・

自由人まゆの日常


AM3:59


ここで俺の小指がエンターを押したら世界は0と1に還元されることなく

今までどおりの平穏を保つことができる・・・だけど

俺の生体エネルギーはMOGIシステムに吸収され

存在自体も最初からなかったことになる・・・つまり

彼女の記憶から俺というものは消える。

思い出すよ、はじめて会った季節を

きみの笑った顔、怒った顔、すねた顔、泣かせたこともあったね

いまはすべてが遠くに感じるよ

でも、きみがこの先幸せになってくれるのならそれでいい


「ありがとう・・・そしてさようなら」


ものすごい光の洪水が男の体から発せられあたりに広がっていく

目で追うことのできないスピードで地下研究所を飛び出し

日本を超え世界中を包み込んだ

しばらくして光がやむと、あたり一面真っ暗闇、すべての電気系統がストップし電灯も消えていた

のちに世界大停電と呼ばれる歴史的瞬間である。


AM7:15


電気は一夜にして復興し、人々は何事もなかったかのように暮らしている

その中にきっと彼女も・・・


fin


ってゆう夢を見たぁぁぁぁぁぁああああああああ!!!