ピルを用いるかどうか? | 両角 和人(生殖医療専門医)のブログ

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刺激開始前にピルを用いるか、用いないか

 

治療説明会で出た質問です。

刺激開始前にピルを用いるか、用いないかに関してお答えします。

ピルはAF のサイズをそろえることができます。

そのため卵胞の育ち方の差がなくなるため効果的に多くの採卵をすることが可能になります。

そのためAFのサイズにばらつきがある場合、ピルを用いてからの生理周期で卵巣刺激を行い採卵をしています。

 

ただピルは諸刃の剣で、良い事もあれば悪いこともあります。

使い方を間違えると抑制されすぎて卵胞が育ちにくくなくなりこともあります。

ピルの種類も複数あり強いものから弱いものまであります。

投与期間(1週間から3週間)も大切になります。

強すぎるピルを長期間投与すると、高齢で卵巣機能が低下している方の場合にはいくら刺激しても育たなくなってしまいます。

 

ピルを使用する際にはその方の卵巣機能を正確に評価して、必要最小限で最大限の効果を得られるよう慎重に用いることが大切となります。

その他エストラーナやジュリナなどでも同様のことができます。

 

宜しければ過去の記事も参考にしてください。

ピルで卵胞をそろえる