体外受精により妊娠した場合、産科的なリスクが上昇するという報告がありましたので紹介します。
2015年までに報告された論文を基に分析しています。
体外受精群は161,370例。
自然妊娠群は2,280,241例。
結果
体外受精群での妊娠は自然妊娠群と比較し、それぞれの妊娠合併症のリスクは上昇し、その相対リスクは以下の通りになりました。
妊娠高血圧症:1.30
妊娠糖尿病:1.31
前置胎盤:3.71
胎盤早期剥離:1.83
出血(分娩前):2.11
出血(分娩後):1.29
羊水過多症:1.74
羊水過少症:2.14
帝王切開:1.58
早産:1.71
早期の早産:2.12
低出生体重児の分娩:1.61
周産期死亡:1.64
先天奇形:1.37
この結果から言えること
この結果から体外受精での妊娠は様々な産科的な合併症が起きやすく、ハイリスク妊娠であることがわかります。
そのため可能であれば総合周産期センターやNICUがある施設での分娩の方が好ましいかと思われます。
Fertil & Steril January 2016Volume 105, Issue 1, Pages 73–85.e6