採卵して卵子が回収できない事があります。空胞といわれるケースがありますが、実際には卵子があったものの回収できないケースが殆どです。この理由としてエコーで卵子を同定しないで採卵をしている事が挙げられます。(現在のエコーの解析レベルでは卵子を検出することが不可能です)
空胞を防ぐにはダブルルーメンの採卵針で卵胞内を洗浄しながら採卵をすると回収率が増えると言う意見と変わらないという意見があります。
今回ダブルルーメンでの卵胞洗浄は有効かどうかに関しての論文がありましたので紹介します。
この論文では17Gダブルルーメンの採卵針で卵胞の洗浄を行った場合と、17Gシングルルーメンの採卵針で洗浄を行わない場合で卵子の回収取の割合が上がるかどうかを検討しています。
2015-2016年にかけて、80名の方に5個以下の卵胞の症例を無作為に検討しました。
3回洗浄した群(ダブルルーメン)採卵数2.4個
1回の吸引(シングルルーメン)採卵数3.1個
卵胞の洗浄をしても結果は向上しませんでした。
洗浄群で採卵時間が2倍になりました。
結論
卵胞洗浄しても採卵数は増えず、採卵の時間がかかることがわかりました。
Randomized, open trial comparing a modified double-lumen needle follicular flushing system with a single-lumen aspiration needle in IVF patients with poor ovarian response
Hum Reprod (2017) 32 (4): 832-835.