ハワイに留学していた時、主にマウスの卵子を使い実験をしていました。
研究はマウスのみならず魚の研究もしていました。
ハワイにいた際には色々な生き物の顕微受精をトライしました。珍しいものとしては錦鯉です。
錦鯉は日本でも人気ですが、海外では日本を超えるくらい人気で、特に香港が最も多く取引があり、続いてオランダ、タイ、インドネシアという順に取引があるとの事です。
価格は驚きで、1匹1000万くらいは結構あり、高いものでは4000万のものもあったとのことです。
錦鯉の価格は体型、色彩、模様で決められるそうで、もし高値の錦鯉と同じ錦鯉をクローン技術で作ることができれば高値ねで取引できるため、商業目的で錦鯉のクローンを作りたいという共同研究の話がラボに持ち込まれました。まさにアメリカならではの話です。
最初に錦鯉の卵をいきなり使うのではなく、他の魚の卵を使用して顕微受精をしようという事になり、金魚の卵を使用していました。
マウスの卵と比較すると魚の卵はとても大きく、顕微鏡を使わなくても見えて、顕微授精をする際も大きすぎて、殻も硬くてとても針を刺すのに苦戦しました。
結局培養などもうまくいかなくて錦鯉のクローンは中止となりました。
大体は生殖医療に関する基礎的な研究を2年半の留学の間に数十個のプロジェクトをしました。大体10位の研究をして、そのうち1つが論文になるレベルです。残りの9割は予想外の結果となり失敗になります。
ただいつも教授から言われていましたが、「全ての実験が成功するわけではない。むしろ多くの実験が失敗するか予期せぬ結果に終わる。しかしそれは決して無駄ではなく、将来へ貴重な資産になる。」と教えられていました。