『ものすごくうるさくて ありえないほど近い』
なんだ、この邦題は!
って、誰もが思うでしょう。
へたくそなタイトルだな、とも…
いやいや、ねらってるんでしょう、とも?
でも意外に、まんま直訳に近いのですね。
原題は、
『EXTREMELY LOUD & INCREDIBLY CLOSE』
さらに言うと、原作の日本語版も同じタイトル。
どっちが先なのかはわからないけれど、
名前聞いただけで観るのやめちゃったひとも、きっといるよね。
もうちょっと何とかならなかったのかな。
『うるさ過ぎるし、めっちゃ近い』―
こんなのでも、ずいぶんとニュアンスが変わのではないでしょうか。
え、おんなじ?
(C)2011 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC.
トム・ハンクスに、ジュリア・ロバーツ、ですからね。
アカデミー賞コンビが夫婦役で出演です。
でも、驚愕するのは主人公のオスカーを演じた、トーマス・ホーン。
演技の経験のない素人で、これが映画デビューというのですから。
本作は、2005年に発表されたジョナサン・サフラン・フォアによる9.11を題材にしたベストセラー小説を、「リトル・ダンサー」「めぐりあう時間たち」「愛を読むひと」のスティーブン・ダルドリー監督が映画化したもの。
9・11のテロで、彼のよき理解者である最愛の父を亡くした少年オスカー。
ある日クローゼットで1本の鍵を見つけ、父親が残したメッセージを探すためニューヨークの街へ飛び出して…
社会にうまく適用できなかった少年の、成長の物語でもあるし、
ある親子の…、父と子、母と子の、物語でもあるし、
最愛の者を失った人々を、優しく再生へと導く物語でもある…。
“うるさ過ぎるし、めっちゃ近い”ニューヨークで、
人と人とのコミュニケーションが、知らず知らずに重なって、希望の糸を紡いでゆく。
そして、それは、
決してNYの片隅だけの出来事ではなく、
世界中のあちこちで、
そう、この日本でも…きっと起こり得る、いや実際に起こっているはずであろう物語でもあるわけで。