『ヒューゴの不思議な発明』
「これは私の再スタートの作品なんだ。少年時代の創造力を取り戻すためのね。」
-マーティン・スコセッシ
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巨匠・マーティン・スコセッシ監督が、世界各国でベストセラーとなったブライアン・セルズニックの小説を原作に描いた、映画愛に満ち溢れた大人のためのファンタジー。
1930年代のパリを舞台に、父を亡くした少年ヒューゴが、不思議な雰囲気を持った少女とともに、父の形見の機械人形に隠された謎を解いてゆく―。
出演は「ナニー・マクフィーと空飛ぶ子ブタ」のエイサ・バターフィールド、「モールス」のクロエ・グレース・モレッツ。
そして、ベン・キングズレー、ジュード・ロウ、サシャ・バロン・コーエン、クリストファー・リーらが、若い二人を支えます。
劇中には実在する登場人物=メリエスの『月世界旅行』をはじめ、リュミエール兄弟の『ラ・ジオタ駅への列車到着』など、初期の傑作映画が登場―。
スコセッシ監督の映画の創世記に対するリスペクトを強く感じます。
映画は常に創造力をかきたててくれる。
そしてこれからもそうあらねばならない。
スコセッシ監督の、そんな決意と覚悟を感じる作品です。
映像も音楽も、ひとつひとつのエピソードを収斂していく技術も、素晴らしい!
個人的には、サティーのピアノ曲の響きとクロエ・グレース・モレッツのキュートな演技が、
特に印象に残りました。
残念でならないのが、何を考えているのか良くわからないトンチンカンな邦題と、相変わらずの的外れな宣伝・プロモーション展開で、せっかくの作品を台無しにしている、日本の配給会社だ。
本当はこのことを冒頭で書きたかったのだけれど…
それじゃ、映画の良さが吹き飛んでしまうから、ここまで我慢したのですけれど。
お前のことだよ、パラマウント ピクチャーズジャパン!
マーティン・スコセッシ監督の、日本での評価が今ひとつであるならば、その最大の理由は、
日本での配給元がパラマウント ピクチャーズジャパン であることだ。
『シャッターアイランド』もひどかったけれど 、子供向けのファンタジーであるかのような、本作での宣伝展開もひどいものだ。
おまけに邦題が、『ヒューゴの“不思議な発明”』ときた。
おいおい、ヒューゴが何を発明したんだよっ。
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