悪魔も「道徳意識」を知っており、それを、あらゆる機会を突いて魂の美を汚すために「利用」する。すなわち、どうにかして魂をして自己否定判断をするように仕掛けるのである。しかし、「自己否定判断」は最も大きな傲慢であることに気づくべきである(だからわたしは自分を卑下する人間は大嫌いだし信用しない。必ず次の瞬間には傲慢になっている)。これに抵抗し得るのは真の「信仰」のみであるとわたしは思う。「自己本質肯定」、これは「判断」を超えた力である。作為的ではない祈り、と言ってよい。根本的な人間感覚と言えるものである。