露西亜的創造の包括的原点がここにある。タルコフスキー作品の理解もこれによってはじめて展望が開ける。のみならずドストエフスキーで論じられる世界政府の本来の理念も。

 

 

デカルト的二元論で物質をとらえてはいけない、と言いながら、物質を思念すること自体が、この二元論の宿命を生きることである。だから、この二元論そのものを超える方向で世界を一元化してとらえるとなると、マルセルの形而上学とさえ重なるのである。