究極の真理、実存の真理は、個人主義的なものである。いかに大地的とはいえ集団主義的なものではない。ただ、個人主義的なものが捻じ曲げられているいまの政治状況では、露西亜の姿勢こそ国家個人主義、民族個人主義であり、ヤスパースの個人主義に適うものである。

 露西亜思想はむしろマルセル形而上学の社会化である。

 

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再再呈示

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《 哲学は、ひとつの根本的な〔人間の〕在り方から生じる。この根本的な在り方は、個としての人間において、生涯を通じて変わらぬものである。最初の〔哲学的〕試みのもつ真理は、その後の明晰さの獲得によっても、押し退けられたり取り替えられたりすることはない。実体に関しては、最初のものが既に全体なのである。》 

 

ヤスパース『世界観の心理学』第四版への前書きより 

 

 

 

人間の真実へのまなざしが透徹している。「人間の一生のものは変わらない」、と くり返し言う高田博厚の精神水準に呼応するものをもっている。  

 

 

ただ、ぼくとしては、どれだけの人間が、偽りなく深く、このような言葉で自己了解をできるだろうか、と思うのである。多くの人間が真実にこのように根源的に自分を意識することができるのなら、人間間の問題はこれほど多発せず、もっと根本的な平和が支配しているはずだと思うからである。