思想は、いつも明晰判明に感知された状態ではないゆえに、一度あるいは何度か明晰判明に感知されたことがあるという記憶があれば、その記憶に信頼してよい、ということをデカルトは言った。ぼくもそれでゆこうと思う。そうでないと、生きるうえで不断にぐらつくことになる。