そこは何かの実験場。
いろんな獣が飼われている。


私は監視カメラ付きの檻の中へ入れられた。
どんなに泣き叫んでも、当然何の返事もない。

おとなしくされるために薬を飲まされたのか、
ここからの記憶がとても曖昧だ。



私は名前ではなく、何かの記号で呼ばれている。

しばらくすると 一匹のケモノが私の檻に入れられた。
ケモノは意外と人懐っこい子で 寂しい私に甘えてくる。
それが 余計に可愛くてその子を大事にしていた。


それが、数日後にケモノがいなくなる。
どこに行ったのか、取り上げられたのか、記憶がない。


何も抵抗することができないのは わかっていたので
私はあえて、何も聞かなかった。




どのくらいったったのだろう、私は檻から自由にされた。
光りあふれる実験場の中だけ自由に歩けるようになったのだ。


でも、今私は何かから逃げている。
とても恐ろしい人たちから 逃げている。



「全く手間掛けされやがって・・」
「少し油断したすきに アイツをあんな目に合わすなんて、流石だな」


悪態をつきながら三方から 敵がやってきた。



あぁ、そうか、私はここから解放されたくて
たった今監視人を一人 この手で殺めてきたんだ。

こんな力があるのは、あぁ、動物実験をして あの子と
一つになったからなんだ・・
いろんな後悔が頭をよぎるが、もう遅い。


そして私は捕まってしまった。
この先は・・・処刑されるだけであろう。
最も残忍な方法を取られて。