ファースト・ラブ

ー無償に与えられる愛を君へ・・・ー



「はい、それじゃあよろしくお願い

します。」

携帯を片手に久遠は電話相手にそう言って、電話を切った。

「とりあえず、仕事の整理して、時間作ったから、後は東京にいくだけよ。」

電話を終わらせた久遠はキョーコの隣に座る。

「ごめんね・・・?」

座るとキョーコは謝るので久遠は、

「キョーコは気にしなくていいから。」

キョーコの頭を撫でて言うが、キョーコは首を振って

「だって、いつも久遠に迷惑かけてばっかりなんだもの・・・。」

しゅん・・・と落ち込んでいう。それをみた久遠はしょうがないな・・・と思うとキョーコを抱き締め、

「いいんだ・・・そうやって頼ってくれるっては、信用されてるってことだろ?」

そう言ったのに、

「・・・そうだけど・・・ふえ!?」

まだいろいろ言いそうだったので、久遠はキョーコの両頬を摘んで引っ張る。

「くほん、いはい・・・!はなしぃて!」

「もう、さっきみたいに言わないなら、放すよ。」

「いあない・・・!」

恐らく、キョーコが言わないといったので、久遠は放すとキョーコは涙目で片方の頬を撫でていたが、

あいている頬を久遠になでられたので鼓動がはね、頬を染めたが心地がいいのでそのままにしていると途端にキスされる。

「・・・!」

びっくりしたキョーコだったが、

「・・・そういえば・・・キョーコ、今日、何かあった?」

「え・・・?」

唇が離れるとまったく関係ない質問され、しかも質問の意味がよくわからず、キョーコは首を傾げると

「なんか、キョーコが変わった気がするんだ。」

彼はそう言い、彼女の顔を覗く。

「私はなにも変わってないよ///?ただ、あることに気づいて、自分の失態に気付いただけ。」

覗かれてるのもあるが、キスされたので、恥ずかしくなって頬を染めながらキョーコは答えると、

「失態・・・?」

久遠がそう聞いてきたので、ちょっと間をあけてから

「・・・うん、失態。あいつを好きだった自分がどれだけ無駄だったか。

さっきまで頬を染めていたのに、そう答えるキョーコの目は全然笑ってない。

「・・・。」

そんな彼女をみて、久遠はうまく反応できずにいる。

「だって、あいつは私のことを見向きもしなかった。それに・・・あいつが私のために何かしてくれたことなんてない。与えるのはいつも私だけ。『あのひと』・・・母についてもそう。いつも私は『与えることだけ』してた・・・。」

俯いてキョーコはそう言っていたが、ゆっくりと久遠のほうをみると微笑んで

「でも、久遠にあってから、それが変わった。与えることで与えられる愛を知った・・・。だから、ありがとう、久遠。」

礼を言った。礼を言われた久遠は愛しそうにキョーコを抱き締め、

「いいえ、どういたしまして。」

微笑んで言い、キョーコも笑顔になって彼の背中に腕を回したーー。