数日前。
蓮はガせネタにどう動いていいのか分からなかった。
所詮ガせネタのため、ローリィが動いているし、しばらくすれば嘘のように消えるだろう。
だが、しかしだ。
蓮はただ今、初恋を体験中である。
想い人であるキョーコにアレはガせネタだと言ったほうがいいのか迷っていた。
言うのは良い。
けれど、言う前に大ダメージを受けるかもしれない。
(最上さんのことだ…。)
『おめでとうございます!彼女とお幸せに!』
(…と、曇りもない笑顔で言われるに違いない…。)
つまり、それを言われれば、全く自分は男として見られてないと言うことで…。
考えるだけで凹むものである。
しかし、テレビをあまり見ないキョーコの事だ。ガせネタだと公表しても、すぐには彼女の耳には届かないだろう。
もしかしたら、このガせネタすら知らないかもしれないが…。
どちらにしろ、キョーコに会おうと蓮は思った。
だから、蓮はこの日、事務所に向かっていた。
キョーコが事務所にいるはずだと社から聞いていたから…。
だが、車を走らせていたら、予想外の色のものを通り過ぎた。
慌てて戻ると、
ドピンクつなぎを着たキョーコが傘もささずに立っていた。
だから、彼女を呼ぼうとした。
その瞬間、
キョーコは倒れた。
「…最上さん!」
慌てて彼女に駆け寄って抱き上げると顔が赤く震えており、
「すごい熱だ…。」
額に手を当てたら、異常な熱さだ。どうやら、雨に長くうたれていた様子。
「と、とりあえず…病院…いや、ダメだ…。」
自分は今、ガせネタで騒がれている。人出が多いとこは避けたほうがいい。
そうなると、
「…しょうがない…俺のマンションに…。」
下宿場所に連れて行くことも考えたが、あそこは居酒屋で、この時間では人出も多いと考えて却下した。
蓮は自分のコートを脱ぐとキョーコにかけて、お姫様抱っこをすると、車に運んび、蓮も車に乗り、マンションに向かう。
つくとまた彼女を運んで、自分のベッドに寝かした。
問題はこれからだ。
濡れたつなぎ、その他モロモロを彼女から脱がせなければいけない。
(…これは何かの拷問か…?)
蓮は枯れたゴムが切れそうな感じになるが、
邪念を振り払うように首をふり、彼女にシーツをかけた後、慎重に剥ぎ取り始めた…。